
- 「築40年を超えて、大きな地震が来たらこの家はもつのだろうか」
- 「耐震リフォームと言われても、何をどこまでやればいいのか分からない」
- 「見積もりで200万円と言われたけれど、その工事で本当に安全になるのか」
築年数の古い家に住んでいると、地震のニュースのたびにこうした不安が出てきます。ただ、ここで先に工事の話を始めるのは順番が逆です。
耐震リフォームで最初に決めるのは「どの工事をするか」ではなく、「今の家のどこが弱いのかを調べること」です。
同じ築45年でも、壁の量、柱と土台のつなぎ方、基礎に鉄筋が入っているか、屋根の重さ、シロアリや雨漏りによる傷みは家ごとに違い、必要な補強も費用も変わります。
築年数だけで「壁を何枚足せば安心」とは言えません。
この記事では、建てられた時期からまず何を確認するか、耐震診断で何が分かるのか、診断結果に応じて壁・接合部・基礎・屋根の補強をどう組み合わせるのか、費用の目安と枚方市・寝屋川市・高槻市・交野市の2026年度の補助制度まで、判断の順番どおりに解説します。
なお、耐震等級という指標そのものは「耐震等級とは」の記事で、断熱や気密も含めて家全体の性能を引き上げる工事は「性能向上リノベーション」の記事で扱っています。
この記事は、いま住んでいる古い家を耐震化するための考え方と進め方に絞っています。
断熱や気密も含めた性能向上リノベーションについては、以下の記事を参考にしてください。
>>性能向上リノベーションとは?費用やメリット、工事内容を解説!
最初に確認すること|「建てられた時期」と「構造」で診断の必要性を見分ける
耐震リフォームを考え始めたら、工事内容より先に確認したいことが2つあります。家が建てられた時期と、どんな構造で建てられているかです。
1981年と2000年、2つの境目のどちら側か
木造住宅の耐震基準は、1981年6月と2000年6月の2回、大きく変わりました。
1981年5月以前に建築確認を受けた家は「旧耐震基準」、1981年6月から2000年5月までは「新耐震基準」ですが柱と梁の接合部や壁の配置バランスの規定がまだ明確でなかった時期、2000年6月以降は接合金物や壁のバランス、地盤に応じた基礎まで規定された「2000年基準」です。
| 建てられた時期 | 基準 | 起こりやすい弱点 | 最初にすること |
|---|---|---|---|
| 1981年5月以前 | 旧耐震基準 | 壁の量そのものが不足、鉄筋のない基礎、重い土葺きの瓦屋根 | 耐震診断を受ける(各市の補助対象) |
| 1981年6月〜2000年5月 | 新耐震基準(接合部・バランスの規定前) | 柱の接合部が釘程度、壁の配置が偏っている | 耐震診断、または新耐震木造住宅検証法で確認 |
| 2000年6月以降 | 現行基準(2000年基準) | 施工不良や劣化がなければ大きな弱点は少ない | 傾き・雨漏り・シロアリなど劣化の確認 |
この境目が大事なのは、「新耐震だから大丈夫」とは言い切れないからです。
耐震診断を手がける工務店の組合(木耐協)が2025年10月に発表した診断結果の集計では、旧耐震の木造住宅は97.4%、1981〜2000年5月に建てられた木造住宅でも86.6%が、現行の耐震基準を満たしていませんでした。
2016年の熊本地震でも、旧耐震の木造住宅の倒壊率28.2%に対して1981〜2000年5月の住宅は8.7%、2000年6月以降は2.2%と、建てられた時期で被害の出方がはっきり分かれています。
つまり、1981年以前なら診断はほぼ必須、1981〜2000年でも診断しておく価値が高い、という整理になります。
在来工法か、2×4・プレハブか
一般的な耐震診断(一般診断法)の対象は、柱と梁で組む「木造在来軸組工法」の平屋・2階建てです。
2×4(枠組壁工法)やハウスメーカーのプレハブ住宅、鉄骨造は診断の方法が異なり、メーカー独自の工法は建てた会社に相談した方が早いこともあります。
建築確認の書類や図面が残っていれば、構造の種類はそこで確認できます。
「2018年の地震で大丈夫だったから」は判断材料になりません
北河内・北摂で耐震の相談を受けると、「2018年の大阪府北部地震でも瓦が数枚ずれただけだったから、うちは大丈夫だと思う」という声を聞くことがあります。
あの地震は枚方市・高槻市で震度6弱を観測し、被害全体では全壊21棟・半壊483棟に対して一部損壊が6万棟を超えました。その多くが屋根瓦のずれや落下です。
ただし、耐震診断が想定している揺れは震度6強〜7で、2018年の揺れはそれより一段階弱いものでした。
枚方市の防災ガイドでも、南海トラフ巨大地震に加えて、市域を通る生駒断層帯の直下型地震を想定しています。
「前回もった」ことは、次に耐えられる根拠にはなりません。むしろ瓦が大きくずれた家は屋根が重い土葺きである可能性があり、診断で評点が低く出やすい家です。
耐震診断で分かること|壁・接合部・基礎・劣化を「評点」で見る
耐震診断は、家に点数をつける作業です。木造住宅の一般診断法では、現地調査の結果をもとに「上部構造評点」という数値を算出し、次の4段階で判定します。
| 上部構造評点 | 判定 | 意味 |
|---|---|---|
| 1.5以上 | 倒壊しない | 現行基準の1.5倍程度の強さ。耐震等級3相当と説明されることが多い水準 |
| 1.0以上1.5未満 | 一応倒壊しない | 現行の耐震基準を満たす水準。補強の目標にする値 |
| 0.7以上1.0未満 | 倒壊する可能性がある | 補強が必要。簡易改修の目標にされることもある |
| 0.7未満 | 倒壊する可能性が高い | 旧耐震の家の多くがここに入る。優先度の高い補強が必要 |
耐震等級と評点の関係や、等級の調べ方は以下の記事にまとめています。
>>耐震等級とは?調べ方や意味ないと言われる理由、よくある後悔を徹底解説!
数字が出ると「1.0を目指せばいいのか」と工事の話に進みたくなりますが、評点の内訳の方が大切です。診断では次の4つを見ています。
- 壁の量と配置:筋かいや構造用合板の入った壁がどれだけあり、どこに偏っているか
- 接合部:柱と土台・梁が金物で留まっているか、釘やかすがい程度か
- 基礎:鉄筋コンクリートか無筋か、ひび割れや沈みはないか
- 劣化:雨漏り、腐り、シロアリ被害で構造材が傷んでいないか
どの項目で点を落としているかで、必要な補強は変わります。壁が足りない家に金物だけ追加しても評点は上がりませんし、基礎が無筋で沈んでいる家に壁を足しても効果は限られます。「何をすれば上がるか」は、診断の内訳を見て初めて言えるものです。
現地確認は2〜3時間、床下と小屋裏まで見ます
現地では、外周の基礎のひび割れ、外壁と屋根の状態、室内の壁の位置、床下の土台と基礎、小屋裏の筋かいや接合部を確認します。
図面や建築確認の書類が残っていると壁の位置が読み取れて精度が上がりますが、なくても診断は可能です。
報告書ができるまでは2〜4週間程度が目安になります。
診断費用は、補助を使えば自己負担が数千円で収まることもあります
一般診断法の費用は建物の大きさと図面の有無で変わり、おおむね約6万〜22万円です。
北河内・北摂の各市には木造住宅を対象とした診断補助があり、たとえば枚方市は費用の11分の10(上限5万円)を補助しています。
市が想定する診断費用(5万5千円程度)の範囲に収まれば、自己負担は5,000円ほどです。
ただし、いずれの市も診断の契約前に市への事前相談が必要で、先に診断を申し込んでしまうと補助は受けられません。
耐震リフォームが必要かどうかは、この診断の結果を見るまで誰にも分かりません。
逆に言えば、診断を受けさえすれば「うちは何が弱いのか」が数字と図で手元に残ります。まずは現地確認の段階からご相談ください。
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診断結果から補強方法を決める|壁・接合部・基礎・屋根は「組み合わせ」で考える
補強工事は大きく4種類です。それぞれが診断のどの項目に効く工事なのかを押さえておくと、見積もりの内容が読めるようになります。

壁の補強:評点を上げる中心になる工事
耐震補強の大半で行われるのが壁の補強です。既存の壁の内側に構造用合板を張る、筋かいを追加する、といった方法で「耐力壁」を増やします。
ポイントは枚数ではなく配置で、南側に大きな窓が並び北側に壁が集中している家は、量が足りていても偏りで評点を落とします。
壁を強くすると柱を引き抜く力も大きくなるため、次の接合部の補強とセットで計画するのが基本です。
接合部の補強:柱が抜けるのを防ぐ
1981〜2000年に建てられた家で目立つ弱点です。柱の上下を金物で土台や梁に固定し、大きな揺れで柱が土台から抜ける「ほぞ抜け」を防ぎます。
壁ごとに必要な金物の種類が変わるため、壁の補強計画と一緒に決めていきます。
基礎の補強:無筋基礎・ひび割れ・沈みへの対応
1970年代以前の家では、鉄筋の入っていない無筋コンクリートの基礎が珍しくありません。既存の基礎に鉄筋入りの基礎を添えて一体化する「抱き合わせ」や、ひび割れの補修を行います。
淀川沿いの低地など地盤の軟らかい地域では基礎の沈みや傾きが出ていることもあり、この場合は補強の前に原因の確認が必要です。
屋根の軽量化:重さを減らして必要な壁の量を減らす
土葺きの瓦屋根はとても重く、建物の上部にかかる地震の力を大きくします。
金属屋根や軽量瓦に葺き替えると建物の重さそのものが減るため、必要な壁の量が減り、壁の補強を少なくできることがあります。
枚方市の補助制度が屋根軽量化工事を独立したメニューにしているのはこのためです。ただし屋根だけ軽くしても、壁や接合部が弱いままでは目標の評点には届きません。
目標の評点は「1.0以上」を基本に、家と予算で決める
補強の目標は、上部構造評点1.0以上(一応倒壊しない)が基本です。枚方市・寝屋川市・高槻市・交野市の改修補助も、原則としてこの水準への改修を対象にしています。
一方で、予算や家の状態によっては、1階部分だけを1.0以上にする、評点0.7以上を目指すといった「簡易改修」という選択肢もあり、枚方市と寝屋川市はこれも補助の対象です。
家全体を1.0にできない場合でも、寝室のある1階を優先して補強する方が、何もしないより命を守れる可能性は高くなります。
高齢のご両親だけが住む家などで大きな工事が難しい場合は、寝室だけを守る「耐震シェルター」や耐震ベッドという方法もあり、枚方市・寝屋川市・交野市には設置工事の補助があります。
親の家を将来まで見据えて整える考え方は、以下の記事も参考にしてください。
>>老後リフォームの優先順位を暮らし方から決める(仮タイトル)
耐震リフォームの流れ|相談から工事まで5ステップ
ここまでの内容を、実際に進める順番に並べます。

ステップ1〜3:相談・現地確認・耐震診断
最初の相談では、築年、構造、増築の有無、過去のリフォーム歴、2018年の地震での被害、気になっている傾きや雨漏りを共有します。図面や建築確認通知書・検査済証があると診断の精度が上がりますが、なくても進められるので、書類が見つからないことを理由に相談を止める必要はありません。現地確認から診断報告書までの流れと期間は、前の章のとおりです。
ステップ4:補強設計と見積もり、補助金の申込
診断の内訳をもとに、目標の評点と工事範囲を決めて補強計画と見積もりを作ります。内装や断熱、間取り変更を同時に行うかどうかも、このタイミングで決めます。期間は1〜2か月が目安です。
補助金を使う場合は、設計・工事とも契約前に市へ事前相談し、交付決定を受けてから契約するのが鉄則です。枚方市では事前相談のあとに市の職員が敷地を確認し、申込書を提出してから交付決定という流れで、契約後の申込は受け付けられません。
ステップ5:工事(2〜6週間)
壁の補強が中心で範囲が限られていれば、部屋ごとに順番に進めて住みながら工事することも可能です。
基礎の抱き合わせや屋根の葺き替え、内装や断熱を含む全面的な工事では期間が延びるため、仮住まいを検討することもあります。
2025年4月の建築基準法改正により、2階建ての木造住宅でも屋根全体の葺き替えや壁の過半に手を入れる改修は、建築確認申請が必要になる場合があります。
寝屋川市も補助制度の案内でこの点を注意喚起しており、工事の規模によっては手続きの期間も見込んでおく必要があります。
耐震リフォームの費用の目安と、他の工事と同時に行う考え方
費用は「何をどこまで」で決まるため、幅を持って把握しておくのが現実的です。
| 工事内容 | 費用の目安(税込) | 内容 |
|---|---|---|
| 耐震診断(一般診断法) | 約6万〜22万円 | 現地調査と報告書。各市の補助で自己負担が数千円になる場合あり |
| 補強設計 | 約17万〜33万円 | 補強計画、図面、見積、補助金の申込書類 |
| 壁の補強(1面あたり) | 約11万〜28万円 | 構造用合板・筋かいの追加。内装の解体と復旧を含む |
| 接合部の金物補強(家全体) | 約22万〜66万円 | 柱頭・柱脚の金物、ホールダウン金物。壁の補強と同時に施工 |
| 基礎の補強 | 約33万〜165万円 | ひび割れ補修から、鉄筋コンクリート基礎の抱き合わせまで |
| 屋根の軽量化 | 約110万〜200万円 | 土葺き瓦から金属屋根などへの葺き替え。足場を含む |
| 家全体を評点1.0以上にする標準的な改修 | 約110万〜275万円 | 壁・接合部を中心に、基礎の補修や部分的な屋根工事を組み合わせ |
| 簡易改修(1階のみ・評点0.7以上) | 約55万〜130万円 | 寝室や居間など、1階を中心にした壁の補強 |
| 耐震シェルター(1室) | 約28万〜66万円 | 寝室などに設置。全体の補強が難しい場合の選択肢 |
※税込の概算で、一般的な目安の金額です。建物の状態や劣化の程度、内装復旧の範囲によって変わり、上記を超える場合があります。
参考として、木耐協の集計では補強工事を行った人の平均費用は167万円(中央値140万円)、国土交通省のモデルケースでは築50年・延べ床約100㎡の木造2階建てで約224万円とされています。100万円台後半から200万円前後が、評点1.0以上を目指す標準的な改修の一つの目安です。
内装・断熱・間取り変更と同時に行うと、解体と復旧が一度で済む
壁の補強は内装をはがす工事なので、クロスや床の張り替え、壁や床への断熱材の追加と同時に行うと、解体と復旧の費用を一度にまとめられます。断熱の工事箇所と優先順位の考え方は以下の記事にまとめています。
>>断熱リフォームはどこから直す?窓・床・壁・天井の選び方と費用の目安(仮タイトル)
逆に注意したいのが間取り変更です。リビングを広げるために壁を抜くと壁の量が減り、評点は下がります。間取り変更を伴う場合は、耐震の補強計画と間取りを同時に設計する必要があります。
所得税と固定資産税の減税
1981年5月以前に建てられた住宅を現行基準に適合させる耐震改修を行った場合、所得税の特別控除(標準的な工事費用相当額の10%、上限25万円)を受けられます。
また1982年1月1日以前からある住宅で工事費が50万円を超える場合は、固定資産税が翌年度分に限り2分の1(120㎡相当分まで)に減額されます。
2026年8月時点で両制度とも継続しており、自治体の補助金との併用も可能です。確定申告と、工事完了後3か月以内の市への申告を忘れずに行ってください。
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枚方市・寝屋川市・高槻市・交野市の耐震補助制度(2026年度)|金額も条件も市ごとに違う
耐震改修の補助は国の一律制度ではなく、各市が独自に設計している制度です。同じ北河内・北摂でも対象になる建築年や上限額、受付期限が違うため、住んでいる市の制度を確認する必要があります。以下は2026年8月末時点で各市の公式ページに掲載されている令和8年度(2026年度)の内容です。
| 市 | 対象となる木造住宅 | 耐震診断の補助 | 耐震改修の補助 | 2026年度の受付 |
|---|---|---|---|---|
| 枚方市 | 1981年5月31日以前の基準で建てられた2階建て以下 | 費用の11分の10(上限5万円) | 標準改修(評点1.0以上):設計費の70%(上限10万円)+工事費(上限80万円、所得により105万円)。簡易改修は工事費上限50万円。屋根軽量化・耐震シェルターは各上限20万円 | 事前相談は12月14日まで、申込は12月28日まで(先着順) |
| 寝屋川市 | 改修は1981年5月31日以前。診断は木造一戸建てなら2000年5月31日以前も対象 | 費用の10分の9(上限4万5千円) | 設計費の10分の7(上限10万円)+工事費(上限90万円) | 診断は11月30日、改修は10月30日まで |
| 高槻市 | 2026年4月から2000年5月31日以前に拡大 | 上限5万5千円 | 工事費の8割(設計費を含めて上限70万円。世帯所得により22万5千円を加算) | 申請は翌年1月末まで(予算枠あり) |
| 交野市 | 1981年5月31日以前 | 費用の11分の10(上限5万円) | 工事費の8割(上限100万円)。耐震シェルターは7割(上限40万円、所得により60万円) | 予算の範囲内で受付(年度途中で終了することあり) |
※各市の公式ページ(2026年8月31日確認)をもとにした概要です。所得要件、市税の滞納がないこと、居住していることなどの条件があります。申込前に必ず各市の窓口で最新の内容を確認してください。
表のとおり、高槻市は2026年度から1981〜2000年の家も補助対象になった一方、枚方市と交野市は1981年5月以前の家に限られ、寝屋川市は診断だけ2000年まで広がっています。同じ築35年の家でも、市によって使える制度が変わるということです。
- 契約・着手前の申込が必須:診断も設計も工事も、契約後の申込は受け付けられない
- 先着順・予算上限あり:枚方市は先着順、交野市は年度途中で受付を終了する年がある
- 所得要件がある:枚方市は課税総所得507万円未満、寝屋川市は前年の合計所得699万円以下など
- 接道の条件:寝屋川市は敷地が幅4m未満の道路に接している場合、補助を受けられないことがある
- 代理受領制度:寝屋川市・高槻市・交野市には、補助金を工務店が受け取り、自己負担分だけを支払える仕組みがある
国の補助や2026年の省エネ関連の制度と組み合わせる考え方は、以下の記事で整理しています。
>>【2026年最新】リフォームに使える補助金を紹介!補助金逆引きリストや利用時のポイントも解説!
補強の範囲が大きくなりそうなとき|建て替えや全面改修との比較に戻る
診断と補強計画を進めると、「補強だけでは済まない」と分かる家もあります。たとえば次のような状態です。
- 基礎が無筋で沈みや傾きがあり、基礎の補強だけで100万円を超える
- シロアリや雨漏りによる腐りが、土台や柱の広い範囲に及んでいる
- 補強に加えて屋根・外壁・水回り・配管の更新も同時に必要で、合計が1,000万円を超えそう
- 間取り変更や断熱もまとめて行いたく、内装をほぼすべてはがす計画になっている
こうした場合は耐震だけを切り出して判断するのではなく、「この家にあと何年住むか」「建て替えとの総額の差はどれくらいか」という視点に戻るのが現実的です。診断の報告書は、その比較のための客観的な材料になります。
築50年前後の家でリフォームと建て替えを比べる考え方、相続した実家や空き家を住める状態に戻す判断は、以下の記事で解説しています。
>>築50年の家をリフォームする?建て替える?判断ポイントや費用を徹底比較!
>>実家をリフォームして住むには?費用・耐震・断熱・間取り変更の注意点を解説
>>空き家リフォームの費用相場|住める家に戻すための確認ポイントを解説
断熱・気密・耐震をまとめて新築同等の性能まで引き上げる全面改修については、性能向上リノベーションの記事を参考にしてください。
「地震が心配」を「うちの弱い部分はここ」に変えるところから

耐震リフォームが必要かどうか、必要ならどこをどこまで補強するかは、この記事を読んだだけでは判断できません。壁の量、接合部、基礎、劣化の状態は、床下と小屋裏を確認して初めて分かるからです。
逆に言えば、現地確認と診断さえ済めば、「築45年だから不安」という漠然とした心配は、「北側の1階の壁を2面補強し、柱脚に金物を入れれば評点1.0に届く」というように、具体的な計画に置き換わります。
工事をするかどうか、いつするか、他のリフォームと一緒にするかは、その計画を見てから決めれば十分です。
オヒサマノイエでは、枚方市を中心に寝屋川市・交野市・高槻市などの木造住宅について、現地確認から耐震診断、補強設計、補助金の手続き、工事までをご相談いただけます。
- 建てられた年(建築確認通知書・検査済証・登記簿のいずれかで確認できます)
- 図面(間取り図だけでも可)と、増築・リフォームの履歴
- 屋根の種類(瓦か、スレートか、金属か)
- 気になっている症状(傾き、建具の開閉不良、雨漏り、シロアリの痕跡、2018年の地震での被害)
まずは「診断を受けるべき家かどうか」の確認からで構いません。以下のLINEやメール、電話からお気軽にお問い合わせください。
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耐震リフォームのよくある質問
Q1: 住みながら工事できますか?
A: 壁の補強が中心なら、部屋ごとに順番に進めて住みながら工事できることが多いです。
1部屋あたり数日で内装の解体から復旧まで進めるため、家具の移動と部屋の入れ替えができれば仮住まいは不要なケースが大半です。ただし、基礎の抱き合わせで床を広く開ける場合や、屋根の葺き替えと内装工事が重なる場合は生活への影響が大きくなるため、期間と合わせて事前に相談してください。
Q2: 耐震診断だけ受けて、補強はしないという選択もありますか?
A: あります。診断は今の家の状態を知るためのもので、補強を義務づけるものではありません。
木耐協の調査では、診断後に補強工事を行った人は3割強で、費用や住む年数を考えて見送る方も少なくありません。診断結果があれば、家具の固定や寝る部屋の選び方、耐震シェルターの検討など、工事以外の備え方も具体的に決められます。数年後に補強するときも、診断の報告書はそのまま使えます。
Q3: 補強すると地震保険や火災保険は安くなりますか?
A: 補強後の評点が1.0以上なら、地震保険の「耐震診断割引」(10%)の対象になります。
診断や改修の結果、現行の耐震基準を満たすことを証明する書類(診断結果報告書など)を保険会社に提出して適用を受けます。火災保険の保険料は建物の構造区分で決まるため、耐震補強で直接下がるわけではありません。
Q4: マンションや鉄骨造の家の場合は?
A: 診断の方法と補助制度が異なります。
枚方市・寝屋川市には非木造住宅やマンション向けの耐震診断補助(1戸あたり2万5千円など)があり、高槻市には分譲マンションの耐震補助制度があります。マンションは管理組合として動く必要があるため、まず管理組合に相談してください。
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