
「キッチンが古くなってきた」「冬の寒さがつらい」「間取りが今の暮らしに合っていない」。
戸建てを直したい気持ちはあるのに、調べ始めると「リフォーム」と「リノベーション」という言葉が並び、自分の家はどちらに当てはまるのか分からなくなる方は少なくありません。
結論、リフォームかリノベーションかは、名称で選ぶものではありません。
決めるべきなのは工事範囲で、それは「今の家の何を残すか」と「暮らしをどこまで変えたいか」の2つで決まります。
この記事では、改修規模の判断表と、改修規模で何が残り何が変わるのか、そして確認しておきたい家側の条件を、枚方市で新築とリフォームを手掛けるオヒサマノイエが整理します。
箇所別の費用相場や建て替えとの比較は、それぞれ専門の記事へ案内しますので、この記事は「自分の家はどの規模の話なのか」を見極めるためにお使いください。
先に判断表を見たい方は、今の不満から逆引きする改修規模の判断表をチェックしてみてください。
リフォームとリノベーションは名称ではなく残す部分と変えたい暮らしで決める
一般的には、古くなった部分を新しくして元の状態に戻す工事を「リフォーム」、間取りや性能まで手を入れて暮らし全体を変える工事を「リノベーション」と説明されることが多いです。
ただし、この使い分けに法律上の定義はありません。
実際には、キッチン交換だけでも「リノベーション」と表現する会社があれば、骨組みだけを残す大規模な工事を「全面リフォーム」と呼ぶ会社もあります。
「リノベーション会社に頼めば大きな工事、リフォーム会社なら小さな工事」という判断は、実態と合わないことが多いのです。
名称で迷うより先に、次の2つの軸で自分の家を整理してみてください。
- 柱・梁・基礎などの構造
- 壁の位置、つまり間取り
- キッチンや浴室などの設備
- 床・壁・天井の内装、外壁や屋根
- 不具合や古さを直したい
- 今の間取りのまま、使い勝手を良くしたい
- 間取りや家事動線そのものを変えたい
- 暑さ・寒さ・地震への不安をなくしたい
残すものが多く、変えたい範囲が小さいほど工事は部分的になります。反対に、残すものを減らして暮らしを大きく変えるほど工事は大規模になり、費用も工期も伸びていきます。
工事範囲が先に決まれば、それをリフォームと呼ぶかリノベーションと呼ぶかは後からついてくるものです。
見積もりを比べるときも、名称ではなく「どこまで残し、どこを変える工事なのか」で揃えると、会社ごとの提案を同じ土俵で比較できます。

今の不満から逆引きする改修規模の判断表
「残すもの」と「変えたい暮らし」の組み合わせを、実際によくある悩みに置き換えたのが下の表です。
まずは自分の不満に近い行を探してみてください。改修規模は5段階に分けており、それぞれの中身は次の章で説明します。
| 今の悩み・不満 | 検討する改修規模 | 主な工事内容 | 費用の桁感(税込・概算) |
|---|---|---|---|
| キッチンやお風呂など、古くなった設備が1か所ある | ①部分リフォーム | 設備の交換と、その周辺の床・壁の補修 | 数十万〜200万円程度 |
| 水回りが全体的に古く、配管や給湯器も心配 | ②複数箇所リフォーム | 水回り4点の交換、給排水管や給湯器の更新 | 150万〜400万円程度 |
| 間取りが今の暮らしに合わない、家事動線が悪い、収納が足りない | ③間取り変更リノベーション | 壁の撤去・新設、LDKの拡張、水回りの移動 | 300万〜1,000万円程度 |
| 寒さや暑さがつらい、地震も不安 | ④性能向上リノベーション | 断熱材の充填、窓の交換、耐震補強に間取り変更を組み合わせる | 1,000万〜2,000万円程度 |
| 床の傾きや雨漏り、シロアリの跡がある。旧耐震基準の家 | ⑤大規模改修、建て替えとの比較 | 骨組みだけを残す全面改修、または建て替え | 1,500万円〜 建て替え費用と比較 |
費用は木造2階建て・延床30坪前後を想定した概算で、設備のグレードや建物の劣化状況によって大きく変わります。
あくまで「桁」の目安としてご覧ください。箇所別・築年数別の詳しい相場は、次の記事にまとめています。
>>戸建てリフォームの費用相場を徹底解説!築年数別・箇所別の目安と安く抑えるコツも
この表で気をつけてほしいのは、悩みが複数の行にまたがる場合は、上の行ではなく下の行から検討するという点です。
たとえば「キッチンが古い」と「冬が寒い」の両方があるなら、①ではなく④を軸に考え、そこから予算に合わせて範囲を削っていく方が、後から壁を開け直す二度手間を防げます。
また、表の上の方の悩みで始めた工事が、解体してみると配管の劣化や土台の腐食が見つかり、下の方の規模に変わることもあります。
表はあくまで出発点で、最終的な工事範囲は現況を確認してから決まるものだと考えてください。
オヒサマノイエにご相談ください!
解決します。

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5つの改修規模で残るものと変わるもの
ここからは、判断表の5段階について「何が残り、何が変わるのか」「どんな家に向くのか」「どこで規模が一段上がりやすいのか」を順に見ていきます。
①設備が古いだけなら部分リフォーム
◼︎部分リフォームとは
構造も間取りも、ほかの部屋もそのまま残し、古くなった設備1か所とその周辺だけを新しくする工事
築15〜20年で給湯器やキッチンが寿命を迎えたものの、間取りや暮らし方に不満がない家に向いています。
住みながら工事ができ、工期も数日から1週間程度で済みます。
ここで大切なのは、設備を外したときに見える床下地・壁の中・配管を同時に確認しておくことです。
とくに浴室は、タイル張りの在来浴室だと土台が腐っていることが珍しくなく、見つかった時点で補修範囲が広がります。
もう一つの注意点は、1か所ずつ順番に直す進め方です。そのつど職人の手配や養生が発生するため、数年かけて4か所を直すと、まとめて行う場合より総額が上がりやすくなります。
3年以内にほかの設備も寿命を迎えそうなら、次の②複数箇所リフォームを検討する方が結果的に無駄がありません。
②水回りをまとめて変えたいなら複数箇所リフォーム
◼︎複数箇所リフォームとは
構造と間取りは残したまま、キッチン・浴室・トイレ・洗面の水回り4点と、その裏側にある給排水管や給湯器、周辺の内装をまとめて更新する工事
築20〜30年で設備が一斉に寿命を迎え、位置は変えなくてよいという家に向いています。
まとめる利点は、一度の工事で完了することと、養生や職人の手配が1回で済むため費用を抑えやすいことです。
工期は1〜2週間程度が目安で、浴室が使えない期間の段取りを事前に決めておくと負担が軽くなります。
見落とされやすいのが配管です。設備だけ新しくして配管が古いままだと、数年後の水漏れで壁や床をもう一度開けることになりかねません。
築25年を超えていれば、設備と配管はセットで判断してください。
打ち合わせの中で「せっかくなら位置も変えたい」「キッチンを対面にしたい」という希望が出てきたら、それは次の③の話になります。
位置を動かす工事は費用の桁が変わるため、ここで一度立ち止まって範囲を決め直しましょう。
>>水回り4点・3点まとめてリフォームの費用相場は?安くなる理由やメリット・デメリットを徹底解説!
③間取りや家事動線を変えたいなら間取り変更リノベーション
◼︎間取り変更リノベーションとは
構造と外装は残し、壁の位置・LDKの広さ・水回りの位置・収納・動線を変える工事
子どもの独立や親との同居といった家族構成の変化、在宅勤務、家事動線の見直しなど、「設備が古い」ではなく「今の間取りが暮らしに合わない」が動機なら、この規模になります。
どこまで自由に変えられるかは、家の構造次第です。
- 在来工法の木造:筋交いの入った耐力壁は抜けませんが、補強を組み合わせることで位置を調整できる場合があります
- 2×4工法:壁で建物を支える構造のため、撤去できる壁が限られます
- 鉄骨系・木質系のプレハブ住宅:メーカー固有の部材で組まれており、可否の確認に時間がかかることがあります
水回りを動かす場合は、排水の勾配と床下の高さが取れるかで実現性が決まり、動かす距離が長いほど費用が上がります。
また、この規模から仮住まいが必要になるケースが増えるため、工事費とは別に家賃や引っ越し費用を見込んでおいてください。
壁の撤去や水回り移動の具体的な注意点は間取り変更の記事で、予算別にどこまでできるかは一軒家リノベーションの記事で確認できます。
>>間取り変更リフォームでできること|費用相場・壁撤去・水回り移動の注意点を解説
>>一軒家リノベーションの予算とできること!流れやポイント・補助金も解説!
④断熱や耐震まで改善したいなら性能向上リノベーション
◼︎性能向上リノベーションとは
構造は補強したうえで残し、壁・床・天井の内側に断熱材を入れ、窓を替え、耐力壁や接合金物を追加する工事
多くの場合、③の間取り変更と同時に行います。
枚方市は大阪府内でも夏の暑さが厳しい地域として知られ、交野市など生駒山系に近いエリアでは冬の冷え込みも強くなります。
また2018年の大阪北部地震では、枚方市・高槻市で震度6弱を観測しました。「寒い・暑い・揺れが怖い」が動機になる家は、この地域では珍しくありません。
性能向上で押さえておきたいのは、断熱も耐震も「壁の内側」の工事だという点です。内装を仕上げた後から性能だけを上げようとすると、壁をもう一度壊すことになります。
だからこそ、間取りを変えるために壁を開けるなら、性能向上も同じタイミングで検討するのが鉄則です。
進め方としては、耐震は耐震診断で現状を数値化してから補強範囲を決め、断熱は熱の出入りが最も大きい窓から手を付けて、床・壁・天井の断熱材と組み合わせます。
どのような対策をするのかについては以下の動画で紹介していますので、こちらもチェックしてみてください。
↓高気密・高断熱の家の構造を紹介した動画vol.1
↓高気密・高断熱の家の構造を紹介した動画vol.2
性能向上を含む全面的な工事の内容や費用の考え方は、全面リフォームの記事で詳しく解説しています。
>>築古一戸建て「全面リフォーム」の初期費用を抑える方法や押さえておきたいポイントを解説!
⑤構造や劣化の状態から大改修になるなら建て替えとも比較する
次のような状態が見られる家は、部分的に直しても根本が解決せず、骨組みだけを残す大規模な改修になりやすい家です。
- 床が傾いている、建具が閉まりにくい
- 天井や壁に雨漏りの跡がある
- 床下にシロアリの被害や基礎のひび割れがある
- 1981年5月以前に建築確認を受けた木造で、耐震補強をしていない
- 増築や改築を繰り返していて、図面と実際の建物が合っていない
この段階で比べるべきなのは「リフォームかリノベーションか」ではなく、「直して住み続けるか、建て替えるか」です。
目安として、改修費が建て替え費用の7割を超えるなら建て替えを検討する、という考え方がよく使われます。
ただし、接道条件などで建て替えができない土地や、今の家を残したいという思い、仮住まいの期間、あと何年住むのかによって答えは変わります。
数字だけで決めず、両方の見積もりを同じ条件で並べてから判断することをおすすめします。比較の観点は次の記事に整理しています。
>>リフォームvs建て替えどっちがお得?費用比較と5つの判断ポイントと失敗しない考え方を解説!
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工事範囲を決める前に確認したい家の条件
判断表は「暮らし側」の整理でした。もう一つの軸である「家側」の条件によって、同じ悩みでも適した規模は変わります。
北大阪や京阪沿線には1970〜80年代に開発された住宅地が多く、2000年以前に建てられた木造が中心です。次の5点は、工事範囲を左右しやすい確認項目です。
| 確認すること | 見るポイント | 工事範囲への影響 |
|---|---|---|
| 建築確認を受けた時期 | 1981年5月以前は旧耐震基準です。1981年6月〜2000年5月は新耐震ですが、木造の接合部や壁の配置バランスが規定されたのは2000年6月以降です。確認済証や登記簿で日付を確認します | 旧耐震の木造は④や⑤に寄りやすくなります。新耐震でも2000年5月以前なら耐震診断をおすすめします |
| 構造・工法 | 在来工法の木造か、2×4か、鉄骨系・木質系のプレハブか | ③で抜ける壁の範囲が変わります。2×4やプレハブは間取り変更の自由度が下がります |
| 劣化の状態 | 床下の湿気・シロアリ・基礎のひび、屋根裏の雨漏り跡、外壁のひびやシーリングの切れ、配管の水漏れや赤水 | ①②のつもりが③〜⑤に変わる要因です。見積もりに「解体後に劣化が見つかった場合の想定」を書いてもらいます |
| 断熱の現状 | 壁や天井に断熱材が入っているか、窓が単板ガラスのアルミサッシか。1990年代前半以前の家は断熱材が薄いか、入っていないことも珍しくありません | ④が必要かどうかの判断材料です。断熱材のない家は、内装だけ新しくしても寒さは変わりません |
| 敷地・法規 | 再建築の可否、接道条件、増築部分の登記、確認済証の有無 | ⑤で建て替えを選べるかどうかが変わります。再建築不可なら改修一択になります |
このうち築年、窓の種類、雨漏りの跡、床の傾きは自分でも確認できます。
一方で、床下や屋根裏の状態、耐震性の数値、断熱材の有無は、現況調査や耐震診断で確かめる必要があります。
工事範囲を決める前にこの確認を済ませるかどうかが、「後から追加費用」「壁を開け直す」を防げるかどうかの分かれ目です。設備のカタログを選ぶ前に、まず家の状態を知る順番で進めてください。
リフォームかリノベーションか分からない段階こそオヒサマノイエにご相談ください!

「工事内容を決めてから相談するもの」と思われがちですが、順番は逆です。
「キッチン交換で見積もりをください」と依頼すれば、その工事だけの見積もりが届きます。残せる部分と直すべき部分の整理は、その見積もりには含まれません。
オヒサマノイエでは、まず床下・屋根裏・耐震・断熱の現況を確認したうえで、次の4つに分けて工事範囲を整理しています。
- 今の家で残せる部分
- 今すぐ直すべき部分
- 数年後でも問題ない部分
- 家族構成の変化や老後まで見据えて、今のうちに変えておく部分
この整理が終わって初めて、部分リフォームで済むのか、間取りや性能まで手を入れるのかが決まります。名称はその後です。
新築で高断熱・高気密の家づくりを手掛けている工務店なので、設備交換のような部分的な工事から、構造・断熱・耐震まで含めた工事範囲の検討まで、同じ会社の中で相談できます。「うちはリフォームなのかリノベーションなのか分からない」という状態のまま、その言葉のとおりにご相談ください。枚方市を中心に、高槻市・寝屋川市・交野市・門真市・茨木市、京都府の八幡市・京田辺市・宇治市で対応しています。
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