
- 「暖房をつけても足元が冷たい」
- 「2階が夏、寝苦しいほど暑い」
- 「窓が毎朝びしょびしょに結露する」
家の寒さや暑さを調べると、最初に出てくるのは「まず窓」という答えです。半分は正しく、半分は家によります。
断熱リフォームで直せる場所は窓・床・壁・天井(屋根)の4カ所。どこから直すと効果が出るかは、築年数やカタログではなく、今の家のどこが弱いかで決まります。
この記事では、症状別の確認場所から、部分断熱で足りるかの判断、部位別の費用、2026年の補助金までを解説します。
新築時の断熱工程になりますが、以下の動画をまずは参考にしてみてください。
断熱リフォームはどこから?症状別に確認する場所
断熱リフォームと一口に言っても、手を入れる場所は窓・床・壁・天井(屋根)の4つに分かれます。
同じ「断熱工事をした」でも、どの部位を家のどこまでやったかで、効果も費用も別物です。まず、それぞれが家のどこにある工事なのかを断面図で確認してください。

症状と確認する部位の対応を、工事の規模と注意点を含めて表にまとめました。ここに挙げた症状は原因を絞り込むきっかけで、確定は現地の調査で行います。
| 工事箇所 | 疑うきっかけになる症状 | 工事規模 | 住みながら | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 窓 | 窓際で冷気を感じる、窓の結露が多い、日射で室温が上がりやすい | 小(内窓は1窓1〜2時間程度) | ○ | 家全体の寒さの原因が窓だけとは限らない |
| 床 | 床表面が冷たい、足元の冷えが強い、床下の断熱不足が疑われる | 中(床下から施工できれば数日) | ○ | 床下に人が入れる高さがあるか、湿気やシロアリの有無で工法が変わる |
| 天井・屋根 | 夏に2階の室温が下がりにくい、夜になっても熱がこもる | 中〜大(天井裏から施工できれば数日) | ○ | 小屋裏の換気と、日射の遮り方もセットで考える |
| 壁 | 壁に触れると冷たい、暖房を切ると室温がすぐ下がる | 大(内装または外壁の工事を伴う) | △ 部屋単位なら可 |
断熱材の入れ方によっては壁の中で結露するため、防湿の設計が要る |
窓:優先度は高いが、家全体の寒さが窓だけで決まるわけではない
環境省の資料では、モデル条件のもとで、冬の暖房時に室内から流出する熱の58%、夏の冷房時に流入する熱の73%が、窓などの開口部からとされています。
断熱リフォームで開口部が最初の候補に挙がるのはこのためです。
工事の方法は、今の窓の内側にもう1枚を付ける内窓、ガラスだけを複層ガラスに替えるガラス交換、サッシごと新しくする外窓交換(カバー工法)の3つです。
内窓なら1窓あたり1〜2時間程度で、住みながら工事できます。
ただし上の割合は、壁・床・天井に断熱材が入っている家をモデルにした数字です。無断熱の家では、床や壁から逃げる熱の割合が大きくなります。
そのため、窓を替えても底冷えが残るなら、窓以外にも原因がある可能性があります。
内窓・ガラス・サッシの種類や費用の詳細は「窓リフォームはどこに頼む?失敗しない業者選びと費用相場を完全解説!」の記事で解説しています。
>>窓リフォームはどこに頼む?失敗しない業者選びと費用相場を完全解説!
床:足元の冷えに直結。床下の条件で工法が決まる
床下に人が入れる高さがあれば、床を壊さずに、床下から根太の間に断熱材を張る方法がとれます。
床下の点検では、断熱材の有無だけでなく、配管の位置、湿気、シロアリの被害もあわせて確認します。
床下の高さが足りない、配管が多くて断熱材を隙間なく張れない場合は、床を剥がして施工します。この場合は、床材の張替えと同時に計画するのが合理的です。
床断熱で見落とされやすいのが「気流止め」です。
1990年代以前の木造住宅では、壁の中の空洞が床下と天井裏につながっている場合があり、床下の冷気が壁の中を通って上がります。
このような家では、床だけを断熱しても壁がひんやりする状態が残ることがあります。建物の構造によっては、床断熱とあわせて気流止めも確認します。
また、面積は小さくても、脱衣室や浴室の床は温度差が体に響きやすい場所です。家の使い方によっては、優先度が高くなります。
天井・屋根:夏の2階の暑さに効く。天井裏から施工できることが多い
夏に2階の室温が下がりにくい場合、原因の一つとして、屋根で受けた熱が天井裏にこもり、天井から室内に伝わっていることが考えられます。
対策は、天井裏に断熱材を敷き足す、または吹き込む工事です。点検口から入れれば、天井を壊さずに施工できることがあります。
築20〜30年の家の天井裏では、断熱材が薄い、ずれて隙間が空いている、照明器具の周りだけ抜けている、といった状態が見つかることがあります。
天井断熱とあわせて確認したいのが、小屋裏の換気と、西日が入る窓の日射対策です。小屋裏換気には熱や湿気を排出する役割があるため、断熱材の施工状態とあわせて確認します。
屋根そのものに断熱材を入れる屋根断熱は、屋根の葺き替えやカバー工事のタイミングで検討する工事です。
小屋裏を部屋として使う場合の断熱は「ロフトリノベーションは屋根の断熱が鍵!」の記事も参考にしてください。
壁:効果は大きいが、内装か外壁の工事とセットになる
壁は外に面する面積が最も大きく、断熱することで部屋の温度が安定しやすくなります。
ただし、壁の中に断熱材を入れるには、内側から石膏ボードを剥がして充填するか、外側から外壁を張り替えるときに外張りする必要があります。そのため、壁だけの断熱でも工事は大きくなりやすいです。
内側からの工事は部屋単位で進められるため、クロスの張替えや間取り変更と同時に行うと効率的です。
注意したいのが、壁の中で起きる結露(内部結露)です。壁の構成によってはそのリスクがあるため、防湿・通気まで含めて設計します。
壁の断熱は、断熱材の厚みだけではなく「湿気をどう扱うか」まで考えることが重要です。
また、壁を開ける工事をするなら、耐震補強も同時に検討できます。解体と復旧を一度にまとめられるためです。
断熱・気密・耐震をまとめて引き上げる改修は、「性能向上リノベーションとは?費用やメリット、工事内容を解説!」の記事で扱っています。
>>性能向上リノベーションとは?費用やメリット、工事内容を解説!
窓だけで足りる?部分断熱・全体断熱の判断
「部分的にやっても意味がない」という言い方を目にしますが、正確ではありません。部分断熱でも、直した部位の症状の改善は期待できます。
ただし、変わるのは効果の範囲です。直していない部位の弱さは、そのまま残ります。
どこまで断熱するかは、①今の家の断熱の現況、②悩みの範囲、③今後の工事予定の3つで考えます。
1. 今の家の断熱の現況(築年数だけでは判断できない)
省エネ基準への適合が原則すべての新築住宅に義務づけられたのは、2025年4月からです。
それ以前の住宅は、建築時期が断熱仕様を推測する手がかりにはなりますが、断熱性能そのものは築年数だけでは判断できません。
国土交通省の推計(令和5年度時点)では、既存住宅のうち無断熱等が約23%、1980年基準相当が約36%、1992年基準相当が約22%、現行基準相当が約19%です。
同じ時期に建った家でも、施工の状態や増改築の履歴によって断熱性能には差があります。
現況は、次の場所で確かめられます。
| 確認すること | 分かること |
|---|---|
| 建築時の図面・仕様書 | 断熱材の種類・厚みの手がかり |
| 窓のガラス・サッシ | 開口部の断熱性能(単板か複層か、アルミか樹脂か) |
| 床下 | 断熱材の有無・隙間・湿気・気流 |
| 天井裏 | 断熱材の厚み・ずれ・欠損 |
| 過去のリフォーム歴 | 部分的に性能が変わっていないか(窓交換・増築など) |
| 寒い・暑い場所と時間帯 | 弱点を推測する材料 |
断熱性能を数値や等級で把握する考え方は「断熱等級とは?UA値・ηAC値や、6・7も必要かどうかも徹底解説!」の記事を参照してください。
2. 悩みの範囲と、今後の工事予定
悩みが1部屋なのか家全体なのかに加えて、床の張替え、外壁や屋根の改修、間取り変更や耐震補強といった今後の工事予定も判断材料です。
壁や床は「その部位を開ける工事」と同じタイミングで断熱を入れると、解体と復旧を一度にまとめられます。
現況・悩みの範囲・今後の予定を重ねると、検討する範囲はおおよそ次のように整理できます。
| 状況 | 検討しやすい範囲 |
|---|---|
| 窓際の冷えや結露が中心で、床・天井の断熱状態に大きな問題がない | 窓から検討 |
| LDKや寝室など、一部の区画だけ快適にしたい | 生活する区画をまとめて部分断熱 |
| 家中が寒い・暑い。間取り変更や耐震工事も予定している | 家全体の性能向上を検討 |
| 原因が分からない | 工事範囲を決めず、床下・天井裏・窓などを先に調査 |
区画をまとめて断熱する場合のポイントは、「窓だけ」「床だけ」と部位で切らず、窓・床・壁・天井など、断熱する区画を囲む部分の断熱ラインをできるだけ連続させることです。
また、断熱した区画とそうでない区画の間には温度差ができます。そのため、引き戸や建具で仕切れる間取りかどうかも確認します。
こうした居室単位の断熱は、2026年の国の補助制度でも対象になり得ます(後述)。
家全体まで踏み込む場合は、断熱だけの話ではありません。「性能向上リノベーションとは?費用やメリット、工事内容を解説!」の記事で確認してください。
なお、「窓→天井→床→壁」という費用対効果の一般論がありますが、順番は症状で入れ替わります。
たとえば、夏の2階の暑さなら天井、足元の冷えなら床を先に確認します。
次の3つは、工事をしても十分な効果を感じにくいことがあるケースです。
- 無断熱の家で窓だけを替える:窓際は改善しても、床・壁の冷たさが残ることがある。窓は入口で、終点とは限らない
- 床だけ断熱して気流止めをしない:床下の冷気が壁の中を通る経路が残り、床断熱の効果が十分に出ないことがある
- 隙間が減るのに換気を見直さない:内窓の設置や気密改修によって隙間が減る場合は、計画的な換気も重要になる。湿気の逃げ場が変わり、結露やカビが別の場所に出ることがある
「うちはどの行に当てはまるか」は、症状だけでは決めきれません。床下や天井裏など、今の家の状態を見て初めて判断できます。
窓の見積もりを取る前に、家のどこが弱いかを確かめるところからご相談ください。
オヒサマノイエにご相談ください!
解決します。

注文住宅

リフォーム

リノベーション

自宅サウナ

断熱リフォームの費用の目安(税込・概算)
部位別の費用の目安です。建物の条件で幅が出るため、一般的な目安として見てください。
| 工事箇所 | 工事内容 | 費用の目安(税込) | 工期の目安 |
|---|---|---|---|
| 窓 | 内窓の設置(1窓) | 約6万〜20万円 | 1窓あたり1〜2時間程度 |
| 外窓交換・カバー工法(1窓) | 約17万〜45万円 | 1窓あたり半日〜1日 | |
| 家全体の内窓(8〜10窓) | 約60万〜170万円 | 1〜2日 | |
| 床 | 床下からの断熱材施工(1階・50〜60㎡程度) | 約35万〜90万円 | 2〜4日 |
| 床を剥がして断熱+床仕上げ(1階) | 約90万〜220万円 | 1〜2週間 | |
| 天井 | 天井裏への敷き込み・吹き込み(50〜60㎡程度) | 約25万〜65万円 | 1〜3日 |
| 壁 | 内側から充填(1部屋・内装復旧込み) | 約35万〜80万円 | 1〜2週間 |
| 外張り(家全体・足場、外壁仕上げ込み) | 約220万〜440万円 | 1〜2か月 | |
| 部屋単位 | LDK+寝室など:窓・床・天井を一体で | 約170万〜330万円 | 2〜4週間 |
| 家全体 | 窓・床・壁・天井+気密・換気(性能向上リノベーションの領域) | 約450万〜1,100万円 | 2〜3か月〜 |
※金額は税込の概算で、一般的な目安です。建物の状態、窓のサイズと数、製品の性能区分、足場の要否、内装の復旧範囲によって変わります。補助金は含んでいません。
費用が動く要因は部位ごとに異なります。
窓は数とサイズ、ガラスの性能区分。床は床下の高さと配管の量。天井は既存の断熱材を撤去するかどうか。壁は足場の要否と内装の復旧範囲です。
同じ「床断熱」でも、床下に入れるか入れないかで費用が大きく変わるため、見積もりの前提条件を確認してください。
光熱費の削減額から回収年数を計算する方法もありますが、断熱の効果は光熱費だけではありません。
室温の安定、結露やカビの軽減、部屋間の温度差の緩和など、金額だけでは評価しにくい効果もあります。
回収年数だけで判断せず、いま困っている症状が解消されるかを軸に考えてください。
2026年の断熱リフォーム補助金
2026年は、国の「住宅省エネ2026キャンペーン」に、断熱改修を対象とする事業が2つあります。
| 事業名 | 対象となる断熱工事 | 補助上限(1戸) |
|---|---|---|
| 先進的窓リノベ2026事業 (環境省) |
内窓設置、ガラス交換、外窓交換(窓と同一契約のドア改修を含む) | 100万円 |
| みらいエコ住宅2026事業 (国土交通省) |
開口部や床・壁・天井などの断熱改修。必要な工事の組み合わせは、製品の性能などによって異なる(平成28年以前に新築された住宅が対象) | 40万〜100万円 |
押さえるのは次の3点です。
- 申請者:申請は登録事業者(住宅省エネ支援事業者)である施工者が行い、施主が自分で申請することはできない
- 締切:交付申請の予約は遅くとも2026年11月16日まで、交付申請は遅くとも12月31日まで。ただし予算の上限に達した時点で、締切前でも受付終了
- 確認方法:細かな要件や補助額は工事内容と製品で変わる
計画の段階で住宅省エネ2026キャンペーン公式サイトと見積もりの両方で確認してみてください。
大阪府や枚方市など自治体の制度は住宅リフォーム推進協議会の支援制度検索で確認できます。
リフォームで使える補助金の全体像は「リフォームの補助金」の記事にまとめていますので、参考にしてください。
>>【2026年最新】リフォームに使える補助金を紹介!補助金逆引きリストや利用時のポイントも解説!
工事範囲を決めるために現地で確認すること
断熱リフォームの相談で最初に決めるのは「どの断熱材にするか」ではなく、「どこが弱いか」です。
現況を確かめる場所は、判断の章の表に挙げた図面・窓・床下・天井裏の4点が中心です。相談の際に次の項目が分かっていると、調査がスムーズに進みます。
- 図面・仕様書が手元にあるか
- 過去のリフォーム歴(窓の交換、外壁塗装、床の張替え、増築)
- 寒い・暑い場所と時間帯(朝の足元、夕方の2階、など)
- 結露やカビの出る場所
- 床下・天井裏の点検口の位置
- 住みながら工事するか、部屋を空けられる期間
- 予算の上限と、優先したい症状
どこが弱いかが分かれば、予算に対して効果の出やすい場所から順番を決められます。
「内窓だけでいいのか」「床までやるべきか」「全部やらないと意味がないのか」。
答えは家ごとに違い、現地を見て初めて決められます。
断熱材を選ぶ前に、今の家のどこが弱いのかを確かめるところから、一緒に整理しましょう。
オヒサマノイエにご相談ください!
解決します。

注文住宅

リフォーム

リノベーション

自宅サウナ

断熱リフォームはオヒサマノイエへご相談ください

断熱リフォームは、「窓を替えればいい」「断熱材を入れればいい」と、工事だけを先に決めるものではありません。
大切なのは、今の家のどこから熱が逃げているのか、どの部屋で寒さ・暑さに困っているのかを確認したうえで、必要な範囲に絞って工事を考えることです。
オヒサマノイエは、新築注文住宅とリフォームの両方を手掛けています。窓・床・壁・天井の断熱だけでなく、間取り変更や耐震補強まで含めて住まい全体から検討できるため、「断熱だけで済むのか」「ほかの工事と一緒にした方がよいのか」まで整理できます。
部分的な断熱で十分な家もあれば、間取り変更や耐震補強とあわせて性能向上リノベーションを検討した方がよい家もあります。
「内窓だけでいいのか」「床や天井まで断熱した方がいいのか」「予算内ならどこを優先すべきか」。
工事内容が決まっていない段階でも構いません。まずは今の住まいの状態と困っていることを整理するところから、オヒサマノイエへご相談ください。
オヒサマノイエにご相談ください!
解決します。

注文住宅

リフォーム

リノベーション

自宅サウナ

