
この記事では、一軒家のリノベーションについて、リノベーションの種類に対する予算や、予算別に「何ができて、何ができないか」を解説します。
また、多くの人が経験する「後悔ポイント」とその回避策や、費用負担を軽減する国の補助金制度も解説。
一軒家リノベーションは、新築よりもコストを抑えながら、理想の間取りと暮らしを実現できる魅力的な選択肢です。
しかし、建物の築年数や状態によって費用が変動するため、適切な予算設定が重要になります。
理想のリノベーションが具体的にいくらで、どのような流れで実現できるかが明確になりますので、ぜひ、参考にしてください。
一軒家のリノベーションの種類と費用相場
一軒家のリノベーションは、内装の張り替えから、家の骨組みだけを残して全てを新しくする大工事まで、改修の範囲によって大きく3種類に分類されます。
ご自身の予算と理想とする暮らしに合ったリノベーションを選ぶために、まずはそれぞれの特徴と費用相場を把握しましょう。
| リノベーションの種類 | 概要 | 費用相場(目安) | 性能向上の可能性 |
|---|---|---|---|
| 部分改修 | キッチンや浴室などの水回り、または特定の居室の内装のみを改修 | 数十万〜300万円 | ほぼなし (窓交換など一部のみ) |
| フルリノベーション | 家全体を改修するが、壁の内部や配管などは既存を活かす場合もある | 500万円〜2,000万円超 | 中〜高 (断熱材の追加など) |
| スケルトン | 骨組み(構造躯体)を残し、内部・外部をすべて解体し一から作り直す | 800万円〜2,500万円超 | 非常に高い (高性能化しやすい) |
特に、築年数が古い住宅(築30年以上など)の場合、構造補強や断熱改修といった「性能向上」の費用が全体のコストに影響します。
築年数、建物の構造(木造・鉄骨など)、そして劣化状況によって費用は変動するため、初期段階でホームインスペクション(建物診断)を受ける場合も。
中でもスケルトンにする場合、内部のみのスケルトンまたは、外部もスケルトンにするかによっても費用が変わります。
内部のみスケルトン
「内部のみスケルトン」とは、柱や梁、基礎はそのまま残し、その内側の壁・床・天井、設備、間仕切り壁を全て解体し、一から作り直す手法です。
古い家の「不満」を一掃し「理想」の間取りを実現する高い自由度が魅力です。
内部配管・配線の全面交換を含めることで、老朽化による水漏れ・漏電リスクを回避し、将来的なメンテナンスコストを大幅に軽減できます。
以下の表に特徴や詳細をまとめましたので、参考にしてみてください。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 改修範囲 | 内装、設備、間仕切り壁、配管・配線を全て刷新。 |
| 費用相場 | 500万円〜1,500万円程度(坪数、設備グレードによる) |
| 実現できること | ・部屋数を減らして広大なLDKを確保するなど、大規模な間取りの変更 ・壁内や床下など、普段見えない部分の劣化やシロアリ被害の確認と適切な補修 ・断熱性と気密性の確保 ・法定基準の耐震補強 |
| 注意点 | ・外壁や屋根はそのまま ・外部の意匠変更や外壁材の改修は、追加で費用が発生 |
内部を解体することで、断熱材の追加や部分的な筋交い補強など、安全性と快適性を底上げする工事を効率的に行えます。
内部も外部もスケルトン
「内部も外部もスケルトン」は、内部だけでなく、屋根、外壁、窓といった外部も全て解体・新設する、最も徹底したリノベーションです。
外壁材の張り替えや塗装と同時に、外壁側のシロアリ対策なども施工できるため、徹底した改修が可能になります。
この手法は、古い家を、現代の住宅性能基準を満たす安全性と快適性を備えた高性能住宅に再生させたい場合に最適です。高額になりますが、長期的に見るとメリットが大きいリノベーションと言えます。
以下の表に特徴や詳細をまとめましたので、参考にしてみてください。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 改修範囲 | ・構造躯体以外全て ・外部(屋根、外壁、窓)と内部全てを刷新 |
| 費用相場 | 1,000万円〜2,500万円以上(高性能化レベル、デザイン性による) |
| 実現できること | ・外観デザインの完全な一新 ・ZEH水準に迫る高水準の断熱性・気密性の確保 ・大規模耐震補強 |
| 長期的なメリット | ランニングコスト(光熱費)の大幅削減、結露の防止、そして資産価値の向上。 |
フルリノベーションの価格帯と実現できること
フルリノベーションの費用は、どこまで手を加えるかによって大きく変わります。こちらでは、具体的な価格帯ごとに、どのような工事が実現できるのか、そして何を優先すべきかをまとめました。
予算を決める際は、工事費用だけでなく、設計料、諸費用、そして引っ越し費用や仮住まい費用といった諸経費(総費用の10%〜15%程度)も考慮に入れる必要があります。
| 価格帯 | リノベーションの目標 | 重視する要素 |
|---|---|---|
| 300万円 | 特定の箇所(水回りなど)の機能改善を目指す | コストパフォーマンス、緊急性の高い設備の更新。 |
| 500万円 | 水回り一新+LDKなど主要空間の快適性向上を目指す | 間取りの最適化、部分的な性能改善 |
| 1,000万円 | 内部スケルトンによる間取りの大幅な変更と性能向上を目指す | 自由度、デザイン、快適性のバランス |
| 1,500万円〜2,000万円 | フルスケルトンによる高性能化と全ての一新する | 性能(ZEHレベル)、安全性、資産価値の最大化 |
300万円の場合
予算300万円は、フルリノベーションというよりは、「不満点の解消に特化した部分改修」の要素が強いです。この予算で家全体を変えることは難しいため、優先順位を絞り込むことが重要です。
- 老朽化したシステムキッチンのみ、または高機能なユニットバスのみの交換
- LDKや寝室など最も利用頻度の高い部屋の床材、壁紙を一新
- 故障が心配な給湯器の交換
- 既存の窓に高性能な内窓を設置
この予算では、構造や大規模な間取り変更には手を加えず、緊急性の高い課題解決に特化することで、費用対効果を最大化できます。
500万円の場合
500万円の予算があれば、水回りの設備全てを最新のものに交換できるとともに、中規模な間取り変更を加えて、生活の質を大きく向上させることが可能です。
- キッチン、浴室、洗面台、トイレの全てを交換し、老朽化した配管も必要な範囲で更新。
- 非耐力壁である間仕切り壁を撤去し、リビングと隣接する部屋を統合して広々としたLDKを確保。
- それに伴うLDKを中心とした内装の全面刷新。
- LDKの床下への断熱材追加充填や、高性能な内窓の設置など、長時間過ごす空間の快適性向上を目的とした工事。
この価格帯では、家事動線と家族のコミュニケーションが生まれる空間の改善を両立させることで、暮らしの満足度が高いリノベーションになります。
1,000万円の場合
1,000万円は、「内部スケルトンリノベーション」のベースラインであり、間取りの大幅な変更と本格的な性能向上ができる予算になります。
- 内部をスケルトン化し、水回り、設備、内装を全て刷新
- 回遊動線や大容量の造作収納など、計画的な間取り設計
- 全窓を高性能サッシに交換
- 屋根裏や床下に高性能な断熱材を重点的に施工する断熱改修
- 診断に基づいた、筋交いの追加、接合部の金物補強などの耐震補強工事の実施
この予算では、デザイン性、間取りの自由度、そして快適性の全てで高いレベルを目指せます。
しかし、外壁や屋根の全面改修、またはZEHレベルの超高性能化までは難しい場合が多いため、予算配分を慎重に行う必要があります。
1,500万円〜2,000万円の場合
この予算帯は、「内部も外部もフルスケルトン」をベースとし、最高水準の性能とデザインを追求できる価格帯です。築年数の古い家でも、新築以上の快適性と安全性を実現できます。
- 内部・外部をフルスケルトン化し、外観のデザインを一新。ハイグレードな設備と建材を選択し、上質な空間を実現。
- ZEH(ゼッチ)基準相当の断熱・気密性能を目指し、壁、床、天井全てに高性能な断熱材を徹底的に施工。
- 全熱交換型換気システムなど、高効率な設備を導入し、省エネ性を最大化。
- 大規模な耐震補強工事(構造躯体の補強や基礎補修)を実施し、安心して長く住める安全性を確保。
このレベルのリノベーションは、初期費用は高額ですが、メンテナンス費用や光熱費の負担を大きく軽減できるため、「一生モノの住まい」として資産価値を高められます。
一軒家の高断熱・高気密化にかかる費用相場
高断熱・高気密化は、リノベーションにおける快適性と省エネを叶えるための最重要な要素です。
この改修を行うことで、家中の温度差が少なくなり、ヒートショックのリスクを低減するだけでなく、冷暖房費を削減できます。
高断熱化・高気密化の費用相場と施工ポイントを以下の表にまとめましたので、参考にしてみてください。
| 対策部位 | 費用相場(目安) | 施工のポイント |
|---|---|---|
| 窓(開口部) | 100万円〜300万円 | ・トリプルガラスや高性能樹脂サッシの導入 ・費用を抑えるなら既存窓の内側に設置する二重窓も有効 |
| 壁・天井・床 | 200万円〜700万円 | ・高性能ウレタンフォームなど、隙間なく断熱できる素材を充填 ・断熱ラインを途切れさせない施工が重要 |
| トータル | 500万円〜1,000万円以上 | ・専門業者による気密測定を行い、C値が1.0以下を目指せると理想的 |
高断熱化の費用は、既存の断熱材の撤去や廃材処理費も含まれます。
最も効果的なのは、構造補強や間取り変更と同時に、壁内の断熱材を入れ替えるフルスケルトンリノベーションです。
一軒家のリノベーションでよくある「後悔ポイント」とその回避策
リノベーションを成功させるためには、後悔しやすいポイントを押さえておいて、適切な対策を講じることが重要です。
リノベーションで後悔しがちなのは、「住んでからの使い勝手」に関わる点です。特に「収納不足」は、家具が増えて部屋が狭くなる最大の原因になります。
これを防ぐには、リノベーション前に全ての持ち物を把握し、使う場所の近くに適切なサイズ・量の収納を計画することが不可欠です。
また、古い住宅では「断熱・気密性」の軽視による寒さや結露が大きな不満に繋がります。高性能な断熱材やサッシには予算を優先的に配分し、快適性を確保しましょう。
よくある後悔ポイントと回避策については以下の表にまとめましたので、参考にしてみてください。
| 後悔ポイント | 回避策 |
|---|---|
| ・必要な場所に収納がない ・結局家具で部屋が圧迫される |
・持ち物リストを作成し、使う場所の近くに収納を分散 ・収納や壁の厚みを利用したニッチを設計に組み込む |
| 冬の寒さや結露が改善されない | ・断熱性と気密性に予算を重点的に配分する |
| ・コンセントが隠れる ・照明が使いにくい |
・家電配置図を設計段階で作成 ・コンセントは床から少し高めの位置(40cm程度)に設置すると家具に隠れにくい |
| 予算オーバー | ・見積もり総額の10〜15%を予備費として確保しておく ・契約前の建物診断を行う |
コンセントや照明の配置は、家具や家電のレイアウトを事前に決めておくことで失敗を防げます。
最後に、築年数が古いほど予期せぬ補修が発生しやすいため、予備費を必ず確保し、契約前の建物診断でリスクを把握することが重要です。
一軒家の高性能リノベーションで活用できる補助金
高性能リノベーションを行う場合、国や地方自治体の補助金制度を活用することで、高額になりがちな費用を大幅に軽減できる可能性があります。
活用したい主な補助金制度については、以下の表にまとめました。
| 補助金制度 | 主な対象工事 | 活用のポイント |
|---|---|---|
| 子育てエコホーム支援事業 | 高い省エネ性能を持つリフォーム (断熱改修、エコ設備導入) |
性能基準を満たすことが必須。 交付額が大きく、最も優先的に検討すべき制度の一つ。 |
| 既存住宅における断熱リフォーム支援事業 | 断熱改修に特化 (窓・ガラス交換、壁・天井・床の断熱工事など) |
専門的な知見が必要。 補助金に強い施工業者に相談し、基準適合を確実に進める。 |
| 長期優良住宅化リフォーム推進事業 | 住宅の長寿命化(耐震・劣化対策)、省エネ化 | 建物診断が必須 耐震補強と省エネ改修をセットで行う場合に特に有効。 |
補助金は、着工前の申請手続きと、予算枠の制限があることが多いです。
リノベーションを検討し始めたらすぐに、施工会社に相談し、利用可能な補助金とその申請スケジュールを確認してもらいましょう。
弊社でも補助金や資金計画の相談を受け付けていますので、以下のLINEやメール、電話からお気軽にご相談ください!
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一軒家のリノベーションの流れと工期
リノベーションをスムーズに進めるには、計画から引渡しまでの全体の流れと、それぞれの工程にかかるおおよその工期を把握しておくとイメージがしやすいです。
以下にリノベーションの流れと工期の目安をまとめました。
| ステップ | 期間の目安 | 主な作業内容と工期を左右する要素 |
|---|---|---|
| 1. 相談・ヒアリング | 1〜3ヶ月 | ・予算、要望の整理。設計会社との相性や実績を見極める時期 |
| 2. 現地調査・プランニング | 1〜2ヶ月 | ・耐震診断を含むインスペクションを実施 ・構造を考慮した実現可能なプランを作成 |
| 3. 契約・詳細設計 | 1〜2ヶ月 | ・設備、建材の色、品番などを全て確定 ・ここでの決定の遅れが、工事の遅延に直結 |
| 4. 着工準備・申請 | 1〜2ヶ月 | 補助金や大規模改修に必要な建築確認申請などの手続き |
| 5. 工事 | 4〜9ヶ月 | 【工期を左右する要素】 ・鉄骨造など解体に時間がかかる構造 ・外部スケルトンをする場合、天候 ・設備に輸入品を使用する場合の納期 |
| 6. 竣工・引き渡し | 1週間 | ・完了検査、施主検査を経て、鍵の引き渡し |
特に工事期間中は、現場と密にコミュニケーションを取り、進捗を確認することが、トラブルなくスムーズに工事を完了させる鍵となります。
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「オヒサマノイエ」は、一軒家のリノベーション、特に高断熱・高気密と動線デザインの両立に強みを持つ枚方市にある工務店です。
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