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戸建てリフォームの費用相場を徹底解説!築年数別・箇所別の目安と安く抑えるコツも

戸建てリフォームの費用相場を徹底解説!築年数別・箇所別の目安と安く抑える5つのコツも

この記事では、戸建てリフォームの費用相場を箇所別・築年数別に徹底解説し、費用を抑えるための5つの工夫を紹介します。

「そろそろリフォームが必要だけど、いくらかかるの?」「築30年の家は、どこまでリフォームすべき?」といった戸建てリフォームの費用について、こんな不安を抱えている方も多いでしょう。

戸建てリフォームの費用は、工事内容と築年数によって大きく変わります。

水回りだけなら150万円〜300万円、フルリフォームなら1,000万円〜2,000万円が目安です。

この記事では、箇所別・築年数別の費用相場、追加費用が発生しやすいポイント、そして費用を抑える5つの工夫を詳しく解説します。

「予算内で必要なリフォームをしたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

代表取締役畑 賢一

監修者の紹介

畑 賢一 -Hata.Kenichi

2級建築施工管理技士・第二種電気工事士
サウナスパプロフェッショナルマネージャー

高校卒業後から防水工事・電気工事に携わり、37歳でオヒサマノイエ 株式会社藤田建設工業代表に就任。建築にはかれこれ30年以上携わっています。

目次

戸建てリフォームの費用相場【箇所別・工事別】

こちらでは、戸建てリフォームの費用相場を箇所別・工事別に紹介します。

水回りリフォームの費用相場

水回りの交換時期の目安はおおよそ築15〜20年です。

標準的なグレードの設備を選定し、既存設備の撤去から設置、必要な内装工事(壁・床の張替え等)までを含んだ相場を以下の表にまとめました。

箇所 費用相場 工期 主な工事内容
キッチン 80万円〜200万円 3〜7日 システムキッチン交換、配管工事、壁・床張替え
お風呂 80万円〜150万円 4〜7日 ユニットバス交換、給湯器交換、配管工事
トイレ 20万円〜50万円 1〜2日 便器交換、床・壁張替え、手洗いカウンター設置
洗面台 20万円〜50万円 1日 洗面台交換、配管工事、クロス張替え
給湯器 20万円〜40万円 1日 給湯器本体交換、配管工事
合計 220万円〜440万円 7〜14日

実際の費用は、選ぶ設備のグレード(素材や機能)や、解体して初めてわかる土台の腐食など、建物の劣化状況、まとめて工事するかどうかによって変動します。

キッチン+お風呂+トイレ+洗面台など、まとめてリフォームすれば、個別に工事するより50万円〜100万円安く抑えられることも。

一方、キッチンの場所を移動するなどレイアウト変更を伴う場合は、配管工事費が加算されるため上記よりも高額になります。

外装リフォームの費用相場

外装のメンテナンス時期は築10〜15年で塗装、築20〜30年で張替えが目安です。

一般的な2階建て住宅である、延床面積30坪程度をモデルとして、足場費用や人件費、材料費を含む「費用相場」と「工期」を以下の表にまとめました。

箇所 費用相場 工期 主な工事内容
外壁塗装 80万円〜150万円 10〜14日 高圧洗浄、下地処理、塗装(3回塗り)
外壁張替え 150万円〜300万円 14〜21日 既存外壁撤去、新規外壁材取り付け
屋根塗装 40万円〜80万円 7〜10日 高圧洗浄、下地処理、塗装
屋根葺き替え 100万円〜200万円 7〜14日 既存屋根撤去、新規屋根材取り付け
外壁+屋根 120万円〜230万円 14〜21日 外壁塗装+屋根塗装(同時施工)

費用は、シリコン、フッ素、無機など、使用する塗料のグレードや外壁材の種類によって変わります。

外壁と屋根を別々の時期に行うとその都度足場代が発生しますが、外壁と屋根を同時にリフォームすれば、足場代(15万円〜20万円)が1回分で済みます。

使用している塗料によりますが、コスト圧縮と見た目を維持するという観点から、10年〜15年ごとの同時メンテナンスが基本です。

塗料には耐用年数が決められており、耐用年数を超えるとひび割れの原因に。雨漏りを起こしていると、別途補修費用がかかることもあります。

内装リフォームの費用相場

内装は築10〜15年でクロス張替え、築20年以上で床材交換が目安です。

部屋の印象を刷新する内装リフォームと、住まいの快適性・安全性を高める性能向上リフォームの費用目安をまとめました。

「内装」は6畳単位や家全体(30坪)での概算を、「その他の工事」は将来を見据えた資産価値向上のための工事を記載しています。

箇所 費用相場 工期 主な工事内容
壁紙張替え(6畳) 4万円〜8万円 1日 既存クロス剥がし、新規クロス張り
床材交換(6畳) 10万円〜20万円 1〜2日 既存床撤去、フローリング張り
畳からフローリング 15万円〜30万円 2〜3日 畳撤去、下地調整、フローリング張り
建具交換(ドア1枚) 5万円〜15万円 半日〜1日 既存ドア撤去、新規ドア取り付け
間取り変更(壁撤去) 20万円〜50万円 3〜5日 壁撤去、補強、クロス・床張り
全室内装リフォーム(30坪) 200万円〜400万円 7〜14日 全室クロス・床張替え、建具交換

壁紙や床の張り替えを行う際、壁や床下地が見えるようになるため、「断熱材の充填」や「耐震金物の補強」をあわせて行うことをおすすめします。

解体・復旧費用が一度で済むため、別々に工事するよりもコストを大幅に抑えられるのがメリットです。

その他の工事費用

住まいの基本性能を底上げし、暮らしの快適性や安全性を高めるためのその他の工の費用を以下の表にまとめました。

将来的な資産価値維持を見据えて、家全体や主要部分を本格的に改修する場合の目安の金額です。

工事内容 費用相場 工期 効果
断熱リフォーム 300万円〜700万円 14〜21日 家全体の光熱費削減、ヒートショック対策
耐震補強 100万円〜200万円 7〜14日 壁・基礎の補強、屋根の軽量化
太陽光発電 150万円〜250万円 2〜3日 電気代削減、売電、蓄電池で災害対策
床暖房 80万円〜150万円 3〜5日 LDKへの設置、足元の冷え解消
シロアリ駆除・予防 20万円〜40万円 1日 木材の腐食防止、5年保証付与
外構工事 100万円〜300万円 7〜14日 駐車場、門扉、フェンス、庭の整備

「断熱リフォーム」などは、家全体を施工する大規模改修を想定しています。「内窓設置のみ」や「床下断熱のみ」といった部分的な工事であれば、数十万円から実施できます。

断熱工事や太陽光発電、耐震工事は、国や自治体からの補助金が手厚い分野です。

特に太陽光発電に蓄電池をセットにする場合は費用は高額になりますが、補助金と光熱費削減効果を合わせると、長期的にコストメリットが出るケースが多いです。

【築年数別】戸建てに必要なリフォームと総額費用の目安

こちらでは、築年数別に必要なリフォームと総額費用の目安を紹介します。

築年数によって劣化する箇所が異なるため、適切なタイミングでリフォームを行いましょう。

築10〜15年で必要なリフォーム(総額150〜250万円)

築10年〜15年を迎えた戸建て住宅は、内装や外装に「表面的な劣化」が目立ち始める時期です。このタイミングでのリフォーム総額は、おおよそ150万円〜250万円が目安となります。

リフォーム項目 費用相場
外壁塗装 80万円〜120万円
屋根塗装 40万円〜60万円
給湯器交換 20万円〜30万円
壁紙張替え 30万円〜50万円

工事の優先順位としては、雨漏りを未然に防ぐための「外壁・屋根塗装」が最優先です。塗装による防水メンテナンスを確実に行うことで、家の寿命を延ばせます。

次いで重要なのが「給湯器」。一般的な寿命が10〜15年のため、突然の故障でお湯が使えなくなる前に交換しておくことをおすすめします。

一方で「壁紙張替え」は緊急性が低いため、予算が厳しい場合は汚れが目立つ部屋のみに絞るなど、状況に応じた調整が可能です。

まずは家を守る工事に予算を配分しましょう。

築20〜30年で必要なリフォーム(総額750〜1,350万円)

築20〜30年は、目に見える汚れだけでなく「設備と構造の寿命」が同時に来るタイミングです。

この時期のリフォーム総額は、大規模な改修を行うこともあるため、750万円〜1,350万円が目安になります。

リフォーム項目 費用相場
外壁塗装 100万円〜200万円
屋根塗装 50万円〜80万円
外壁張替え 150万円〜250万円
屋根葺き替え 100万円〜180万円
水回りの一新 200万円〜350万円
断熱リフォーム 200万円〜350万円
内装リフォーム 100万円〜200万円
シロアリ駆除・予防 20万円〜30万円

この時期に最も優先すべきは「断熱リフォーム」です。築20年以上の家は現代の基準より断熱性が低いことが多いため、光熱費削減と快適性向上ができる費用対効果の高い投資です。

次いで外壁と屋根で、10〜15年のタイミングで塗装をしていない場合には、張替えや葺き替えで対応することもあります。

ただし、20年以上の耐用年数がある塗料を使用した場合にはこのタイミングで塗装を行なってください。

水回りは生活の質に直結するため故障前の交換が理想ですが、内装仕上げについては予算状況に合わせて調整が可能です。

築30年超で必要なリフォーム(総額900〜1,900万円)

築30年を超えると、給排水管や土台などの見えない部分の老朽が深刻化します。

建て替えか、大規模リフォームかの判断が迫られる時期ですが、基礎が健全であれば総額900万円〜1,900万円で新築同等の性能へ再生可能です。

リフォーム項目 費用相場
フルスケルトン改修 600万円〜1,200万円
耐震補強工事 150万円〜300万円
断熱改修(窓・壁) 100万円〜250万円
バリアフリー化 50万円〜150万円

最優先事項は「安全性」です。

特に2000年以前の建物は現在の耐震基準を満たしていない可能性が高いため、「耐震補強」は必須です。

また、子どもの独立などで家族構成が変わる時期でもあります。

骨組みだけを残して間取りを一新する「スケルトンリフォーム」を行うことで、老後を見据えたバリアフリー化や、ヒートショックを防ぐ断熱性の向上を同時に実現するのが理想的です。

築30年以上の家で大規模な改修が必要な場合、「建て替え」か「フルリフォーム」かの判断基準となる比較を以下の表でまとめましたので参考にしてください。

比較項目 フルリフォーム 建て替え
費用目安 1,000〜2,000万円 2,500〜4,000万円
工期 2〜3ヶ月 4〜6ヶ月
間取りの自由度 △ 構造上の制約あり
(抜けない柱など)
◎ 完全に自由
(最新の設計が可能)
法規制・税金 ・固定資産税は現状維持
・今の家の広さを維持できる
・固定資産税が上がる
・今の法律で家が小さくなる可能性あり。
メリット ・予算を抑えて新築同様にできる
・愛着ある柱などを残せる
・地盤から全て新品になる
・将来の資産価値が高い

一般的に、リフォームは建て替えの約60〜70%の費用で新築同等の性能を実現できます。 

最大の注意点は「建築基準法」です。

古い家の場合、現在の法律で建て替えると「セットバック(道路後退)」が必要で家が小さくなったり、そもそも再建築不可の土地であるケースがあります。その場合はリフォームが一択です。

一方、地盤が緩んでいる場合や、シロアリ被害が柱の奥深くまで及んでいる場合は、リフォームでは対応しきれないため、建て替えを推奨します。

リフォームで追加費用が発生しやすいポイントと対策

こちらでは、リフォームで追加費用が発生しやすい3つのポイントと対策を紹介します。

シロアリ・構造劣化が発覚する

リフォームの見積もりは、基本的に「内部の構造は健全である」という前提で作られます。

しかし、壁や床を剥がした際に深刻な構造の問題が見つかると、そのまま塞ぐわけにはいきません。

補修工事(追加費用)が必須となりますが、特に多い2パターンの原因や追加工事の内容、追加費用の目安を以下の表にまとめました。

トラブル
発生しやすい場所
発生しやすい状況・原因 追加工事の内容 追加費用の目安
シロアリ被害
(浴室・洗面所の床下)
湿気が多く、タイル張りのお風呂などは特に危険 ・食害された柱や土台の交換・補強
・防蟻薬剤の散布
10〜30万円
構造部の腐食
(キッチン・窓枠周辺)
長年の配管からの水漏れや、雨漏りによる木材腐朽 ・腐った木材の入替え
・配管の引き直し
・防水処理
5〜20万/1箇所あたり

トラブルを防ぐためには以下の3つの対策をしておくと安心です。

  • 予備費を確保しておく
  • 住宅診断(ホームインスペクション)の活用
  • 「追加工事の単価」を事前に確認

見積もりギリギリで予算を組まず、総額の10〜20%(約30〜50万円)を予備費として確保しておくのが一番の対策です。

また、契約前に専門家に床下や屋根裏を見てもらう住宅診断を行うことで、ある程度のリスクを事前に把握できます。

もし腐食が見つかった場合、木材交換はいくらになるのか?など、万が一の際の単価を契約前に業者に確認しておくと安心です。

配管・電気の老朽化が発覚する

キッチンやユニットバスなどの設備機器を新しくしても、裏側のインフラが古いままだと、水漏れや火災のリスクが残ります。

特に築20年以上の物件では、以下の追加工事が発生する可能性が高いです。

トラブル 発生しやすい状況・原因 追加工事の内容 追加費用の目安
配管の腐・赤水・水漏れ ・内部がサビて「赤水」が出る
・継ぎ目から漏水する
・古い鉄管を撤去する
・サビない「樹脂管」へ交換する
5万円〜15万円/1箇所
電気容量不足
(ブレーカー落ち)
・現代の家電に対応できない ・分電盤の交換
・専用回路の増設
・外からの引き込み線の張替え。
5万円〜20万円

築30年前後の家は、水道管に鉄管が使われていることが多く、サビが発生していることも。

また、電気容量不足については、IH、食洗機、浴室乾燥機などの消費電力が大きい家電が設置できない可能性があります。

トラブルを防ぐための対策としては以下の2点を押さえておいてください。「設備は立派になったけど、使い勝手が悪い」という失敗を防げます

  • 見えない部分こそリフォームのついでに一新する
  • 契約アンペア数と「専用回路」の確認

壁や床を剥がすリフォームは、配管や配線を新しくするチャンスです。後から配管だけ直そうとすると、また壁を壊すことになり二度手間と二重の費用になります。

水回りを変えるなら、その部屋までの配管も新品にするという見積もりを最初から依頼するのが賢明です。

また、エアコン、電子レンジ、IHはそれぞれ専用コンセントが必要ですし、今の家が30Aや40Aの場合、50A〜60Aへ上げる工事が必要になることが多いです。

こういった対策の見積もりが含まれているか、契約前に必ず業者に確認してみてください。

業者の「ざっくり見積もり」で依頼する

リフォームの追加費用トラブルで、よくあるのが、契約前の確認不足による「言った・言わない」のトラブルです。

詳細を詰めていない見積もりで契約してしまうと、工事中に「それは別料金です」と言われてしまう事態になります。その実態と対策を以下の表にまとめました。

よくある記載 実は含まれていないことが多い項目 追加請求される理由・内容
〇〇交換工事
「一式」
・廃棄物処分費
・養生費(保護シート)
・家具の移動費
・現場管理費(諸経費)
「本体の取り付け費」しか含まれておらず、古いキッチンの処分代や、工事車両の駐車代などを後から請求されるケース。
内装工事費
(クロス張替え)
・下地補修費(パテ処理)
・大型家具の移動
・コンセントカバー交換
壁紙を剥がしたら下地がボコボコで、「きれいに貼るには下地調整が必要です」と追加作業が発生する。
標準工事費込み ・オプション部材
・特殊な加工
・配管の延長
「標準」はあくまで最低限のスペック。自宅の構造上、配管を少し曲げたり延長したりするだけで「特殊加工費」となる。

チラシや概算見積もりに書かれている「パック料金」や「工事一式」という言葉には注意が必要です。ここには、現場の状況によって変わる費用が含まれていないケースが大半です。

トラブルを防ぐための以下の3つの対策をしておくことをおすすめします。

  • 「一式」の内訳を必ず出してもらう
  • 「含まれていないもの」を質問する
  • 「施工範囲」を指差し確認する

「工事一式 100万円」という見積もりは危険です。

「材料費」「施工費」「廃棄処分費」「諸経費」など、何にいくらかかっているのか、内訳明細書(内訳書)を必ず要求してください。これを渋る業者は避けたほうが無難です。

また、クロスの張替えなら、「この壁の隅までですか? 天井も入っていますか?」と範囲を確認しましょう。

リフォームは「見切り(どこで終わるか)」の認識ズレが非常に多いため、書面だけでなく現地でのすり合わせが重要です。

戸建てリフォームの費用を抑える5つの工夫

こちらでは、戸建てリフォームの費用を抑える5つの工夫を紹介します。

工事を一度に集約する

工事をバラバラに依頼すると、その都度「足場代」「床の解体費」「出張費」といった商品代以外の経費がかかります。

これを1回にまとめるだけで、以下のような大幅なコストダウンが可能になります。

セット内容 削減できる金額の目安
外壁塗装+屋根塗装 15万円〜20万円
(足場代1回分)
水回り+4点セット 50万円〜100万円
(配管工事・商品値引)
断熱+内装張替え 工事費が実質0円(材料費のみで施工)

工事を集約することにより、最も効果が大きいのが「外壁」と「屋根」のセット工事です。

足場の設置には、一般的な戸建てで15万円〜25万円かかります。

これを別々の時期に行うと2回分の費用(約30〜50万円)がかかりますが、同時に行えば1回分で済むため、数十万円が浮きます。

築年数に応じた優先順位をつける

家の劣化状況に合わせて、お金をかけるべき場所は変化します。まずは長く住める「箱(構造)」を作ることに予算を使いましょう。

以下の表を参考に、「今はどこにお金をかけるべきか」を判断してください。

築年数 優先順位:高
(お金をかける箇所)
優先順位:低
(予算調整・後回しできる箇所)
10〜15年 【外装(防水)】
外壁塗装、屋根塗装、シーリング打ち替え。
【内装・設備】
壁紙の汚れや、水回りの古さはまだ我慢できる範囲。掃除や部品交換で対応。
20〜30年 【水回り・配管】
キッチン等の本体交換と、それに伴う床下配管の更新。
【部分修理】
古い設備の延命措置はNG。
「修理」より「交換」の方がコスパが良い。
30年以上 【構造・性能】
耐震補強、断熱リフォーム。
【高額な内装】
構造にお金がかかるため、内装材や設備のグレードを落として予算バランスを取る。

築10〜15年なら、見た目より「防水」が最優先です。内装は抑えてでも外装をやることで、雨漏りやひび割れなどが原因による補修の出費を抑えられます。

築20〜30年は、修理より「交換」を優先することをおすすめします。

設備機器が寿命を迎え、修理部品もなくなってくる時期です。古い給湯器やコンロを数万円かけて修理しても、また別の場所がすぐに故障します。

壊れるたびに修理費と出張費を払うよりも、最新の省エネ設備に買い替えた方が、光熱費も下がりトータルコストは安くなります。

築30年超は、表面より「中身」を最優先にしてください。

内装の裏側にある「骨組み」や「断熱」が重要になる時期です。

耐震性や断熱性が低いまま、表面だけ綺麗なキッチンを入れても、地震や寒さ対策で後から壁を壊すことになれば「二重投資(リフォームのやり直し)」になります。

補助金・減税を活用する

国や自治体からの補助金と減税制度は「知っていて、申請した人だけが得をする」仕組みです。

特に「省エネ」「耐震」「バリアフリー」など、家の性能を上げる工事には支援があります。具体的な補助金制度と、どれくらいお得になるかの目安をまとめました。

リフォーム内容 対象となる主な工事
・先進的窓リノベ事業
・子育てエコホーム事業
・子育てグリーン住宅支援事業など
・内窓の設置
・ガラス交換
・外窓交換
・開口部の断熱改修
・外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
・エコ住宅設備の設置
・子育て対応改修
・防災性向上改修
・バリアフリー改修
・空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置
・リフォーム瑕疵保険等への加入など
給湯省エネ事業など ・ヒートポンプ給湯機(エコキュート)
・ハイブリッド給湯機
・家庭用燃料電池(エネファーム)
・長期優良住宅化リフォーム推進事業
・既存住宅における断熱リフォーム支援事業など
・インスペクションで指摘を受けた箇所の改修
(外壁、屋根 の改修工事等)
・バリアフリー工事
・環境負荷の低い設備への改修
・テレワーク環境整備改修
・高齢期に備えた住まいへの改修

単なる設備の交換では対象外ですが、「省エネ基準を満たす設備」のリフォームなら、工事代金の一部が返ってきます。

これらの制度を利用するためには、必ず申請が必要です。 工事が終わった後に「領収書があるから申請したい」と言っても、受け付けてもらえません。

また、リフォームを行うと、その年の「所得税」と、翌年の「固定資産税」が安くなる場合があります。その内容を以下の表にまとめましたので参考にしてみてください。

税金の種類 減税される条件
所得税
(投資型減税)
以下の工事を行った場合
・耐震
・省エネ
・バリアフリー
・長期優良住宅化
・同居対応
・子育て対応工事
住宅ローン減税と投資型減税の併用は不可
固定資産税 以下の工事を行った場合
・耐震
・省エネ
・バリアフリー
・長期優良住宅化工事

設備のグレードを見極める

大手住宅設備メーカーの商品は、基本的に「ハイグレード(松)」「ミドルグレード(竹)」「スタンダード(梅)」の3段階で構成されています。

費用を抑えつつ満足度を高めるには、「ミドルグレード」をベースに考えることです。

グレード 特徴と選び方
ハイグレード
・セラミックやクリスタルなど高級素材を使用
・自動洗浄などの最新機能が満載。
・「料理が趣味」「お風呂が生きがい」という方以外はオーバースペックになりがち。
ミドルグレード 各メーカーが最も開発に力を入れている価格帯。掃除のしやすさや収納力など、実用的な機能はハイグレードと大差ないことが多い。
基本はこのグレードを選べば失敗しない。
スタンダード シンプル機能に特化。選べる色やオプションが少ない。「食洗機がつけられない」等の制限がある場合も。
賃貸用や、使用頻度の低い2階のトイレなどに最適。

ミドルグレードを選んだ上で、さらに費用を削るためのポイントは「オプションの断捨離」です。ショールームで魅力的に見える機能も、冷静に考えると不要なケースが多々あります。

まずは「ミドルグレードの標準仕様」で見積もりを取り、そこから「どうしても欲しい機能」だけをプラスしていくと、予算オーバーしにくいです。

リフォームの費用で悩んでいる方には勉強会を開催中!

戸建てリフォームの費用は、箇所と築年数によって20万円〜2,000万円と大きく変わります。

水回りや躯体のリフォームの際には、シロアリ被害や、配管劣化といった理由で、追加費用が100万円〜300万円発生するケースも少なくありません。

予算オーバーを防ぐには、事前診断と詳細見積もりが必須です。ざっくりした見積もりで契約するといったことはしないようにしてください。

オヒサマノイエでは、リフォーム前に建物診断を行い、詳細な見積もりを提示し、追加費用が発生しないよう徹底管理します。

また、弊社が提携しているファイナンシャルプランナーが、資金計画や補助金の活用もサポートします。

費用対効果が高い断熱リフォームは、冬暖かく夏涼しい快適な住環境を実現し、最大120万円の補助金も活用可能です。

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戸建てリフォームの費用に関するよくある質問(FAQ)

こちらでは、戸建てリフォームの費用に関するよくある質問に回答します。

Q1:リフォームと建て替え、どちらが安いですか?

A. 総額1,500万円以下ならリフォーム、2,000万円を超えるなら建て替えも検討したほうが良いでしょう。

30坪の戸建てで、フルリフォームは1,500万円〜2,000万円、建て替えは2,500万円〜3,500万円が目安です。

ただし、思い入れのある家、旧耐震基準でない家、構造に大きな問題がない家ならリフォームがおすすめです。

Q2:リフォームローンは組めますか?金利はどれくらいですか?

A. リフォームローンは組めます。金利は2.5%〜4.5%が一般的です。

無担保型は金利2.5%〜4.5%で最大1,000万円、有担保型は金利1.5%〜3.0%で最大5,000万円借りられます。

住宅ローン返済中なら、住宅ローンに上乗せすることで金利0.5%〜1.5%と最も安く借りられます。

リフォームローンについては以下の記事も参考にしてみてください。

>>【関西版】リフォームローンのすべてがわかる!おすすめの金融機関や審査に落ちないためのポイントも解説!

Q3:住みながらリフォームはできますか?

A. 部分リフォームなら住みながら可能、フルリフォームは仮住まいが必要です。

水回り1〜2箇所、外壁・屋根塗装、壁紙張替えなら住みながらできます。

ただし、断熱リフォーム、水回り4点セット、全室内装リフォームは仮住まいが必要で、仮住まい費用は50万円〜140万円が目安です。

Q4:見積もりは何社取ったほうが良いですか?

A. 3社程度取ることをおすすめします。

1社だけでは適正価格か判断できず、5社以上では比較に時間がかかりすぎます。

3社程度なら費用相場の把握、業者の対応の比較がしやすく、適度な競争で価格交渉もしやすくなります。

Q5:補助金はいくらもらえますか?

A. 断熱リフォームなら最大120万円、長期優良住宅化なら最大250万円もらえます。

子育てエコホーム支援事業で最大60万円、既存住宅における断熱リフォーム支援事業で最大120万円、長期優良住宅化リフォーム推進事業で最大250万円です。

複数の補助金を併用できる場合もあります。

Q6:追加費用が発生しないようにするにはどうすれば良いですか?

A. リフォーム前に建物診断を受け、詳細な見積もりを取ることが重要です。

建物診断(5万円〜10万円)で、シロアリ被害や構造の劣化を事前に把握できます。

また、詳細な見積もりで、解体費用、廃材処分費、補修費用、諸経費を明確にしておくと、追加費用の発生を防げます。

Q7:築何年でリフォームしたほうが良いですか?

A. 築10〜15年で外壁・屋根塗装、築20〜30年で設備交換と断熱リフォームがおすすめです。

◼︎築年数とやるべきリフォームの目安

  • 築10〜15年は外壁・屋根塗装と給湯器交換(総額150万円〜250万円)
  • 築20〜30年は水回り4点セット、断熱リフォーム、外壁張替え(総額750万円〜1,350万円)
  • 築30年超は耐震補強を含む全面改修(総額900万円〜1,900万円)
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