
この記事では、住空間収納プランナーの視点から、注文住宅で絶対に後悔しないための収納計画の核となる考え方と具体的な設計ポイントを徹底解説します。
収納とは、単にモノをしまう「箱」の広さではありません。それは、日々の暮らしやすさや快適性を大きく左右する家の「効率」そのものです。
「とりあえず多めに作っておこう」と安易に進めてしまうと、結局モノがあふれたり、使い勝手が悪くなったりといった失敗に繋がります。
この記事を読めば、自身の持ち物の量や家族の動線に合った収納計画の立て方がわかります。
リビングやキッチンが散らからない、ストレスフリーな理想の住まいを実現するための参考にしてください。
後悔しないための「収納計画」の基本
こちらでは、後悔しないための「収納計画」の基本を解説します。
収納率という概念を理解する
収納率とは、家の延床面積全体に占める収納スペースの面積の割合を示す指標で、以下の計算式で求まります。
収納率(%)=(収納スペースの床面積 / 延床面積)× 100
ここでいう「収納スペース」には、主に押入れやクローゼット、納戸などの床から天井まで使える空間が含まれ、キッチン収納や床下収納などは含めないのが一般的です。
戸建て住宅の場合、10%〜15%が適切な収納率の目安とされています。
例えば、延床面積100m²(約30坪)の家なら、10m²〜15m²(約6〜9畳分)の収納が目安です。
収納率を理解することで、家の広さと収納のバランスを客観的に検討し、「収納が足りない」「収納が多すぎて生活スペースを圧迫した」といった後悔を防げます。
家族構成やモノの量に応じた目安
収納計画では、家族構成や持ち物の量に応じた目安を押さえることが基本です。
一般的に、収納スペースは「大人1人あたり1.0~1.5畳、子ども1人あたり0.5畳」程度が最低限の目安とされます。
例えば4人家族なら、合計で4〜6畳程度を基準に考えます。
ただし、最も大切なのは、現在の持ち物の総量と種類に見合った計画を立てること。
ミニマリスト志向など、持ち物が少ない場合は、目安より収納率を下げて、居住空間を優先させることも可能です。
洋服好き、アウトドアやコレクションなど趣味の道具が多い場合は、納戸やシューズクロークなどを広めに確保しましょう。
家族構成と持ち物の現状から必要な収納量を算出し、子どもの成長なども考慮して、可動棚の採用など柔軟性のある収納を計画しましょう。
注文住宅で成功する収納計画のポイント
こちらでは、注文住宅で成功する収納計画のポイントを解説します。
家事動線と一体化させる「動く収納」
注文住宅の収納計画で重要なポイントが、家事動線と一体化させる「動く収納」の活用です。
「動く収納」とは、単に場所が決まっている壁の収納だけでなく、キャスター付きの収納や可動式の棚など、物の移動や変化に柔軟に対応できる仕組みのこと。
| 対策箇所 | メリットや効果 |
|---|---|
| ランドリールームや脱衣所のタオル・肌着収納 | 洗濯物を「たたむ場所」から「しまう場所」まで楽に運搬でき、家事の移動ストレスを軽減 |
| テレビボード下の収納やソファ横 | ロボット掃除機の邪魔にならず、日常の掃除が格段に楽になる |
| 子ども部屋や書斎の間仕切り | ライフスタイルの変化に合わせて部屋の広さやレイアウトをリフォームなしで簡単に変更できる |
このように、「動く収納」は家事効率を上げるだけでなく、家族の成長や生活の変化に柔軟に対応できる、注文住宅ならではの工夫です。
モノの「収納場所」を明確にするための事前準備
モノの「居場所」を具体的に明確にする事前準備の基本は、「全量把握と居場所のシミュレーション」です。
現在所有しているすべてのモノ(衣類、趣味の道具、季節用品、ストック品など)をリストアップし、使っていない不要なモノを徹底的に処分します。
新居に持っていくモノの量とサイズを正確に把握することが、収納設計の土台です。
リストアップしたモノ一つひとつについて、「新居のどこで使うか?」をシミュレーションし、その「使う場所の近く」をモノの定位置として割り振ります。
居場所を決めたら、収納内部の棚の奥行きや高さを、収納するモノや市販の収納ボックスのサイズに合わせて設計に反映させます。
事前準備を行うことで、「収納量が足りない」「使いにくい場所に収納を作ってしまった」といった失敗を防ぎ、暮らしやすい家を実現できます。
弊社「オヒサマノイエ」では私をはじめとした住空間収納プランナーが複数名在籍しています。個別の悩みに寄り添って収納プランを作成いたします。
ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。
オヒサマノイエにご相談ください!
解決します。

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収納計画で失敗する3つの典型例
こちらでは、収納計画で失敗する3つの典型例を紹介します。
【失敗1】「とりあえず」でモノを詰め込むだけの収納
「収納スペースは広ければ広いほど良い」と考え、何をどこにしまうか決めずにデッドスペースなどに収納を設けてしまうケースです。
- 使ったモノが空いている場所に押し込まれ、「開かずの収納」になる
- 何をしまったか分からず、モノの重複購入や、探す時間などムダが増える
- 居住スペースにモノが出しっぱなしになる
この失敗の解決方法は、 すべてのモノに置き場所を決めるという意識で、設計段階から収納内部の棚の奥行きや高さを決めることが重要です。
【失敗2】「収納をたくさん作った」のに、結局使いこなせない
収納率を確保することに満足し、その中身と使い勝手を考慮しなかった場合に起こるケースです。
- 大きな納戸は魅力的に見えますが、その分居住空間を圧迫する。
- 奥行きや幅が広すぎるため、奥のモノがデッドスペース化して収納効率が低くなる
- 階段下や屋根裏など、使用場所から遠い場所に収納を作りがち
- リビングで使うモノが2階の納戸にあると、人はリビングに出しっぱなしにしてしまう
この失敗の解決方法は、 収納の量ではなく「効率」と「適材適所」です。収納は「使う場所のすぐ近くに、必要なモノが収まる適切なサイズで」配置することが重要です。
【失敗3】「見えない場所」にモノを押し込んでしまう
見栄えを良くすることだけを優先し、ウォークインクローゼットや納戸の扉の奥に、整理しないままモノを詰め込んでしまうケースもあります。
- 居住空間はきれいに見えるが、収納内部はモノが乱雑に積み重なる
- 取り出しにくいストレスにより、収納しなくなる
- 最も使いやすい場所にモノがあふれてしまう
- 片付けたとしても「リバウンドしやすい部屋」になってしまう
見えない収納だからとモノを押し込んでいると、取り出すために複数のモノを動かす手間がかかります。
この「取り出しにくい」ストレスが、「とりあえず見えないからいいか」という発想になりがち。さらには結局リビングや玄関など、収納しやすい場所しか使わなくなるといったことにもなります。
この失敗の解決方法は、できるだけ一箇所に収納を集中させ、収納の種類を増やすといった工夫が重要です。
「しまう」を楽にする場所別収納アイデア集
こちらでは、「しまう」を楽にする場所別収納アイデア集を事例も含めて解説します。
玄関の散らかりを一掃する「一歩で完結収納」

玄関は家族の出入りが多く、モノが散らかりやすい場所です。
ウォークインのシューズクローク(S.C.)があれば帰宅後の動作を最短にするため、外で使うモノの置き場と靴の収納場所をまとめられます。
靴を脱ぐ動線上にハンガーパイプや棚を設け、帰宅したらすぐにコート、カバン、鍵などをしまえるようなスペースを設けるといった具合に。
ベビーカー、アウトドア用品、子どもの外遊び道具など、汚れがちなモノをそのまま収納できるよう土間を設けるのもおすすめです。
室内への汚れの持ち込みや「とりあえず置き」を防げます。
共有モノを集中させる「ファミリークローク」

家族が集まるリビングはモノが集まりやすい反面、収納が不足しがちです。リビングの収納は、「誰でも使う共有モノ」を集中管理するのが鉄則です。
リビング近くや2階のフリースペース、玄関近くなどのスペースを活用し、家族全員が使うモノをまとめてしまう場所(クローク)を設けます。
ファミリークロークを大容量にしておけば、家事の移動時間を大幅にカット。本来バラバラに収納されていた「複数の家事用品」や「ストック」を一箇所に集約できますよ。
洗濯動線と一体化する「ランドリー収納」

ランドリー収納を設けて洗濯の一連の流れと収納を一体化させることで、家事の負担が軽くなります。
洗濯機から取り出した洗濯物をその場でたたんだりアイロンがけしたりできるカウンターを設置すれば、乾いた衣類をすぐにしまえます。
洗剤やタオル・パジャマなどの収納は、サイズが変わっても対応できるよう可動棚を採用すると使い勝手がよくなります。
室内干しもできるため、天気によらず洗濯物を干せるのも嬉しいポイントです。
キッチンの動線の最適化で「毎日ラクラク」

キッチン収納の成功は、「動線」「サイズ」「機能」の綿密な計画にかかっています。キッチンの動線は生活スタイルによって変わりますが、以下のポイントを参考にしてみてください。
| 分類 | ポイント |
|---|---|
| 動線 | ・「玄関→パントリー→キッチン」と繋がるウォークスルー動線で、買い物後の荷物運びを楽に ・「シンク→コンロ→冷蔵庫」の流れを意識した作業効率の良い配置 |
| サイズ | ・キッチンの間の通路は、人がすれ違える90〜120cmを確保 ・パントリーの棚は奥行きを抑えた可動棚で、奥まで見渡せるように |
| 機能 | ・足元の収納は、上から把握しやすいタイプを選び、調理器具は使う場所の真下に収納 ・分別ゴミ箱は生活感を隠すためにビルトインできる構造を |
また、用途を意識して充電コンセントを設けることで、利便性が向上します。蒸気が出る家電はスライド棚に配置し、実際に使った際のイメージをふくらませましょう。
注文住宅の収納のことならオヒサマノイエへ!
収納を考える際には、「こうしたから使いやすい!」という答えはありません。もちろんスペースを広くしたから収納できるということでもありません。
収納の成功には家族の暮らし方やモノの量に合わせた設計の工夫にかかっています。
とはいえ設計の工夫には、自身の理想と将来の家族の変化の把握や、たくさんある収納設備を理解しておく必要があります。
収納のプロでなければ、「何が最適か、どういう設計がいいのか」がわからないでしょう。
オヒサマノイエは、住空間収納プランナーの知見を活かし、お客様一人ひとりのライフスタイルを徹底的にヒアリング。
「しまう」を意識しなくても自然と片付く、ストレスフリーな収納計画をご提案します。理想の暮らしを実現するために、ぜひご相談ください!
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